NYTがオーディオブック・ベストセラー発表

audiobook_mobile-280x150活字本全米のベストセラーを発表しているニューヨーク・タイムズ紙が、今週木曜からオーディオブックの月間リストを発表する。フィクション/ノン・フィクションの各15位までが前月の売上をもとにランクされるという。「信頼できる複数の独立したデータ・ソースに基づく」としか述べていないが、市場は歓迎するだろう。

出版の「柱」として認知されたオーディオブック

NYT Bestseller2NYTの書評欄は毎週金曜にハードカバーおよび総合ランキングを発表しており、週替わりでペーパーバック(フィクション/ノン・フィクション)、児童書を取上げているが、これにA-Bookが加わることになる。他方、A-Bookのリテイラーは「NYTベストセラー」コーナーを、E-Bookベストセラーをもとに構成していたが、晴れて公式な「NYTベストセラー」として販促できる。出版社にとっても価値は大きい。ビッグ・ファイブはE-Bookではなく、A-Bookの成功を強調するようになっている。このフォーマットにとって、これはまた一つの通過点でしかないが、ベストセラー設置は、以下のことを意味している。

  • 売上において重要な存在となってきた在来出版社が強く希望している。
  • 年20%台の成長を続ければ、独自の新メディアとして認知される可能性もある。

再三述べてきたことだが、ベストセラー・リストは市場のインフラとして重要な意味を持っており、米国ではその運営は影響力のある書評欄を有する新聞社に委ねられてきた。日本でこのシステムが出来ないのは、業界が内向きで消費者より有力出版社の力が強い現状を表している。

A-Bookの定期売上ランキングは、ストアからも業界団体からも発表されておらず、データを入手するとすれば、Audible、Findaway、Downpourなどから直接データを入手するのでないとすれば、Amazon Charts(Audibleのチャートがある)などから実数を推定する、データガイ (Author Earnings) のようなWebアナリティクスを利用するしかない。データガイはBookstatという企業向けサービスを立ち上げており、NYTも利用する可能性がある。 (鎌田、03/08/2018)

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