EPUB 3のReadiumに初のデスクトップ実装

readiumEPUB 3のオープンソース実装プロジェクト (Readium 2) のデスクトップ版が3月21日、EDR Labからリリースされた。2012年2月の発表以来、6年の歳月が経過している。Chrome版に続いて、Windows、Linux、macOSでも利用可能となり、実装されていない標準機能などの普及が進むことも期待される。ここまでは長かった。

長かった8年

EPUB 3が採択されたのは2010年5月、公式化されたのは翌11年10月で、まもなくIDPFのもとでコンソーシアムが発足した。こうした標準規格のオープン実装は、サードパーティが自由に利用できるので、標準の価値を高める意味でも価値があるが、開発主体がボランティアの技術者だけになって企画倒れに終わる場合が多い。製品を持つベンダーは、最もシンプルなコードを提供するだけで、意欲的な開発者がより「完全」な「公共的」実装を目ざすものの、コードの一貫性が保てず、至るところでエラーが生じてしまう。スポンサーがついて、コードを書き直すしかない。結局 Bluefireが書いたChrome版 (Readium Chrome Extension および CloudReader) のみが存在していた。

readium-windows-app標準と実装、オープンと製品の間の距離は意外と遠い。そこではプログラマーのテクニックとセンス(あるいは「格」)が問われ、出来不出来で寿命が短くなるから、すぐに使えなくなるものも出てくる。しかし例外もあり、RDBのSQLの場合はオラクルのライバルの一線級が複数参加したのでオープンSQLがおそろしく充実した。EPUB 3の場合は、当初「不可能」と言われていたSQLほどではないが、簡単ではなくメーカーの協力は明らかに少なかった。

EPUB 3はフランスの CNL (Centre National du Livre)がスポンサーになって開発が一気に進んだ。開発言語はtyped javascriptで行われ、マルチ・プラットフォーム対応には Electron.js、ユーザーインタフェースには React.js が使われた。今回利用可能となったのは、EDR Lab版のアルファ・リリース。ただし、固定レイアウトはページ単位、ユーザー設定は最小限、ページ数表示はなし、ブックマーク、検索もなし…。しかし、視覚障碍者対応機能は数ヵ月以内に提供可能となる予定。コードはReadium Githubで公開される。EPUB 3はまだまだ課題があり、日本においてもReadiumに公的資金がつくことを期待したい。 (鎌田、03/29/2018)

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