「Kindleの十大発明」後記


「Kindle以後10年」の第1部をようやく脱稿した。最初に「Web時代の出版とKindleの十大発明」から仕上げることにしたのは、それが何よりもかつて存在したことのない複雑精巧な「ビジネスモデル」であり、そうしたものとして理解できないと、アマゾンも(本題である)これからの出版も理解できないと考えたからである。

ビジネスモデルから理解するKindle

アマゾンは21世紀の「ビジネスモデル」の元祖として知られている。とはいえ、「ビジネス」も「モデル」も一般的に使われる言葉なので、この複合語もコンテクストを無視して様々に(つまり無意味に)使われ、通用してしまっている。そこに「出版」が加わることで、さらに輪をかけることは不可避だが、Kindleを理解するには、それがビジネスとITの融合の特異な形態、再生産可能なモデルであることを語らないわけにはいかなかった。いくらかでも成功し、共有できたとすればそれほど嬉しいことはない。

筆者がKindleに注目したのは、10年前に米国で初めて見た時だが、最初からそれがなにか巨大なものの一部のような印象を受けた。以来、その現象と事実を観察し分析してきたことは、読者も周知のことだ。Kindleの様々な側面を「十大発明」として要約し、それらを一貫する原理=モデルを明らかにすることで、筆者は最初の仮説を得られると考えた。Kindleは人間のコミュニケーション活動にフォーカスしており、とくに書籍の出版は、アマゾンという企業の特殊な多重構造から成るビジネスの最深部に位置している。なぜ本なのか、なぜ出版なのか、なぜアマゾンが…。無数の疑問と格闘した結果が本書だ。

dear_reader筆者がうまく説明できる自信はないが、「十大発明」をセットにすることで読む人に理解される可能性が上がることは確かだ。それがKindleの例外的な成功の最大の理由であり、21世紀の出版の方向性を決定したと筆者は考えている。「十大発明」はダ・ヴィンチの発明のスケッチのように、それぞれが複合的意味を持ったモデルであり、設計とシミュレーションを繰返しながら生まれている。それらを理解し、評価することなしに今世紀の出版は生まれないだろう。 (鎌田、04/26/2018)

発売はKindleストアにて4月26日から

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