AmazonBooksの店舗デザインの秘密

amazonbooksアマゾンの実書店ビジネス AmazonBooks は、顧客の「買い物体験」にフォーカスしてデザインされているが、それはスペースの経済性を犠牲にした大胆な陳列法が特徴で効果を上げている。これはデータ指向とキュレーションによって最適化した結果だ。現実の仮想化/仮想の現実(仮装)化を切替える手法をニューヨークの若いジャーナリストが分析している。

「フラットデザイン」対「疑似アナログ」

ipad ibooks主として音楽業界をフォローするチェリー・フー氏は、近所に出来たAmazonBooksでの買い物体験を通じてアマゾンのデザインがアナログとデジタルを巧みに組替えていることを観察している。デザインの世界では、アップルのiOS6までスキューモーフィズム (skeuomorphism) というコンセプトが流行し、iBooksの旧インタフェースなどでも使われたが、最近はこれを排する「フラットデザイン」が主流になっている。スキューは入れ物、モルフは形で、アナログな形(木目)でデジタルな入れ物を表象するのが、直観性を重視したモバイル初期のインタフェースだったわけだ。AmazonBooksは逆にデジタル起源のパネルをアナログの店舗に押し込んだ。斬新だが親しみが持てる雰囲気はそこから生まれている、と彼女は分析している。

la-fi-amazon-books-20151103棚やラベルの表示を読むとアマゾン・サイトでお馴染みの「4.8以上の高評価」「95%以上の評者が4つ以上」「…を気に入った方は、こちらもも気に入っています」「Kindle読者が3日以内で読んでいます」と言ったラベルが掲示してある。つまり「仮装現実」というわけだ。筆者もAmazonBooksのディスプレイ・デザインの「非現実感」「ズレ」に注目したが、それがどこからくるのかは理解できなかった。「ねじれスキューモーフィズム」は、若い世代には一種の遊びとして受け容れられているようだが、これはデジタルで「フラットデザイン」が主流になったからこそ意味を持つのかもしれない。

このデザインは日本でそのまま通用するだろうか。これが通用するにはカバーデザインがポスター的なインパクトを持つ場合に限るように思われる。日本のブックカバー・デザインのレベルはよいとは言えない。そもそも表紙が「デザイン」されていない本が多すぎるし、デザイナーに仕事をしてもらう予算がないケースが多いと推察される。米国製の出来合いの「ブックカバー」で、恥ずかしくない程度のものは入手できるが、日本語フォントはそう自由に使えない。デジタル時代には「フォーマット」を問わず、ブックカバーの意味は重くなっている。カバーデザインを生き返らせる方法が必要だ。 (鎌田、04/19/2018)

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