スマート・スピーカ利用の読書ガイド

Google_kingサイモン&シュスター社 (S&S)は、音声駆動スマート・スピーカー(VASS)を使った著者別読書ガイドを開始した。作家スティーブン・キングの傑作スリラー56篇のさわりが聴けるもので、アマゾンAlexaとGoogle Voiceが対象となる。S&Sのナレーター、ジェレミー・ボブが用意された質問を読み、ユーザーの答をもとに、読書リストを提示する。

キングの世界を「個人的」に体験

King_Alexa同社のマーケティング担当リズ・パール副社長は、「音声応答サービスを使って、本を著者、読・聴取者に結びつけるサービスをリードしたいと考えており、AIを使ってこの巨匠の作品世界に足を踏み入れる体験は、新鮮な発見に満ちたものとなる」と語っている。キングは小説話法を様々な機会で公開しており、このアプリの開発にもS&Sとともに積極的に関わったものとみられる。その結果は作家へのフィードバックとなる。もし反響がよければ、かなり急速に普及する可能性が高い。

S&Sは「本を著者、読者・聴取者に結びつける」ことを強調しているが、これは「オーディエンス」の形成を意味している。歌舞伎においてオーディエンスが「型」を共有することで鑑賞(体験)の楽しみを深めるように、とくにジャンル‣フィクションでは「型」がコンテクストの豊富化の土台となり、次回作への期待を高めるだろう。

オーディエンスを形成するコンテクスト

smart_sp2-280x150VASSはしだいに「会話能力」を高めているが、原文の一部から選んで読む能力を身に着けたとすれば、かなり効果的なツールとなる。1冊または複数の本から音声ガイドをつくり、教科書やマニュアルとすることができる。そこでは知識、コンテクストとオーディエンスの関係はさらに直接的であり、様々なビジネスと結びつく。重要なことは、「本+著者+読者=体験」がオーディエンスを形成し、そこからビジネス機会が生まれるということである。そこには、本を個別に販売するということとは違ったビジネスがある。

作品には印刷本のほかに、E-Book、A-Book、映画・ドラマ、ゲーム、コミックなどのフォーマットがあり、それぞれが別の体験をもたらす。ビジネスを一つのフォーマットに限定することは機会損失が大きすぎるということだ。

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