マンガ市場の復興 (1):インディーズマンガ

amazon jpアマゾン・ジャパンは7月5日、KDPを拡大し、Kindleストアで漫画家が自作を無料で出版するためのプログラム「Kindleインディーズマンガ」を開始した。総額2000万円の「インディーズ無料マンガ基金」を創設。7月5日から12月31日までの約6カ月間に、基金から総額2000万円が分配される予定。最初の約1カ月で上位20名に選ばれた漫画家に各10万円が支払われるという。

「作家と読者」のつながりから

kf_amazon_02AmazonとKDPのアカウント登録があれば利用でき、公開作は1ページ以上のオリジナル作品であればよい。独占権などは不要で、すでに別のサービスで公開中の作品でも利用できる。作品は「インディーズマンガ」として公開され、一般作品と並んでKindleストアで掲載されるほか、専用ページも用意される。漫画家はノーリスク、ノーコストで作品を公開し、読まれた実績から報酬を得るのだが、これは「奨励金」のようなものだろう。

アマゾンが「無料」プログラムを自社のコスト(総額が半年間2000万円)で創設したのは、販売市場とは別に作家と読者(とアマゾン)が知り合うチャネルが必要だと考えたためだろう。出版社の新人発掘能力に疑問が持たれているということだ。出版はジャンルごとにサイクルがあり、作家も読者層も更新されなければ「少子高齢化」する。1976年に始まった、美内すずえ『ガラスの仮面』白泉社)などは休刊した雑誌連載版からも離れて単行本版で続いている(?)が、もはや終わらせるのも困難となった。

amazon_01-280x150通常、漫画家がプロ・デビューする(つまり出版社から作品が発行される)には、(1) 各種新人賞に応募、(2) 出版社に持ち込む、(3) アシスタントになる、(4) 専門学校に通う、といった方法があるとされるが、いずれもゴールは遠い。マンガというメディアは「雑誌・連載」を入口としており、「連載作家」だけが収入を得ることが出来るのだが、その仕事の現場に近づくにはアシスタントしかなく、それもまた過酷極まる職場として知られる。すべては<雑誌→単行本→アニメ>といったビジネスモデルでのキャリアを得るためと納得されてきたが、昨今は入口が狭く、どこまで頑張ればよいかが見えないのが問題だ。韓国・中国のほうが新人発掘・育成には熱心だ。 (鎌田、07/11/2018)

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