EUのE-Book課税が印刷本並みに「緩和」

EEU VATU蔵相会議は10月1日、E-Bookへの税率を印刷本並みに引下げることで合意したと発表した。これは「E-Bookは本かソフトウェア」という10年越しの問題の決着だが、15-20%の現行税率をゼロまたは最低税率とするもので、デジタルを主要なフォーマットとしているインディーズ出版者とその読者に歓迎されるはずだ。

コンテンツ課税は何のため

tax_2EUは、初めてE-Bookが「本」であることを認めたが、常識的には、少なくとも「10年(?)遅い」と言うべきだろう。Kindleは2007年にスタートできず、2010年に開始して以降も英国やベネルクスなどの「先進国」と独仏などの「紙本位」国との対立が大きく、解決が長引いたためだ。農産物でも機械製品でもない「本」への課税がこれほど「政治」化したのは、「本」という文化商品のローカル性を反映している。欧州のユーザーは米国にアカウント登録したことで課税を回避していたのだが、各国当局のアマゾンへの課税姿勢が厳しくなったことで、逆にEUでの基準明確化を促したと思われる。

デジタルと消費者保護の浸透において格差の大きいEUでは、国によってE-Bookの性格規定とその税率は異なり、EUの趣旨に外れる状態が続いている。さらに、EUの税法ではE-Book(書店で販売されないもの)は「本」ではなく、ソフトウェアであるとされてきた一方で、出版および版権に関する法規では同じく「本」であり、印刷版より低い価格で販売することはできない。どのルールがどの税率で適用されるかで、運用に混乱が生じる。

この状態は、デジタルの普及を遅らせてきたことは言うまでもないが、それを歓迎する立場もあれば逆の立場もある。今回の決定も、国によって低い税率を選択することを認めただけで、課税の低減・簡素化・統一という方向には進んでいるようには見えない。

英国の出版者協会(PA)は「20%のデジタル課税」を非難し「読書と教育」への課税はそもそも行うべきではないと述べている。出版関係者は歓迎しつつも迅速な実施に不安を抱いている。 (鎌田、010/04/2018)

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