「300ドルキーボード」の価値

キーボードはすでに古典的な入力デバイスだが、新製品が絶えない割に、納得いくものが意外に出ていない。CES2019で表彰されたフランス製キーボード 「Nemeio」は、基本コンセプトがしっかりして、テクノロジーの選択がよいことが評価されたものとみられる。レイアウトの変更がしやすいキーボードを必要とする用途向け。

E-Inkのユニバーサル・キーボードがCESで表彰

キーボードのハードウェアとソフトウェアを自在に組合せ、スクリーン・キーボードを「仮想ハードウェア・キーボード」化する技術は、キーボードの可能性を拡張するものだが、それに対応する魅力的なデザインはこれまで記憶にない。本機は、キーボード・サイズの「E-Inkコンピュータ」をベースにした斬新なものだ。

フランスのLDLCが開発した本機は、LCDやOLEDを使ったものが多い中で、E-Ink(バックライト)を使っている。81キーで、接続はBluetoothまたはUSB A/Cポート。ドライバなしにすべてのコンピュータ(モバイル)に対応、キーボードの設定変更は背面のスイッチ一つで切換えられ、レイアウトのプログラム変更は、プリインストールされているドライブで簡単にできるようだ。キーボードの配列は、QWERTY、AZERTY、Bépoで各国語に対応する。100%カスタマイズ可能を謳っているので、各種のUnicodeの登録文字や国際音声記号(国際音声文字)にも対応できると思われる。

発売は年内で、300~500ドルと予想されている。Windows初期(1990年代)の高級キーボードでも記憶にない価格だが、プロトタイプとしての価値はあり、それが受賞の理由と考えられる。キーボードは、50ドルも出せば入手できるが、たとえば専用キーボードを数種類(複数)揃える必要がある場合など、学術的用途では得難いものとなる。 (鎌田、01/10/2019)

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