「サブスク」離陸成功の意味:(1)Scribd

Scribdは1月28日、定額読書サービスの会員数が100万人を突破したと発表した。アマゾンに先駆けて2013年に立上げ、Oysterの撤退や、Kindle Unlimitedの独走、「読み放題」(unlimited)をめぐる紆余曲折を経た後の大台到達で、同社とサブスクリプションの持続力は実証されたと思われる。「どんな定額制サービスでも転換点となる数字」と自賛するに足る。

Scribdが会員100万人突破、成長率40%

Scribdは、2007年創業の会員共有型出版プラットフォームで、2012年に「世界の読書方法を変える」をスローガンに定額モデルを立上げ、E-Bookをベースとし、A-Book、E-Magazineを加えてサービスを世界的に展開している。料金が月$8.99。一人当たり年間108ドルを売上げる。1万人で1億ドルという規模で、これは重要な通過点だ。トリップ・アドラーCEOは年間(YOY)の会員成長率40%、2018年中のオーディオユーザーが+100%という数字を挙げている。定額制は軌道に乗っているようだ。

とはいえ、アマゾンKDP-Selectのような仕組みを持たないコンテンツ供給は、出版社と料金設定に依存するしかない。出版社との料金交渉で双方が利用しやすいスキームを決めるのは容易ではないだろう。単純に「販売に近い」レベルでは、貸出可能数量をかなり制限する必要が出てくるからだ。「料金定額=貸出冊数制限」が意識されれば、不満は成長への制約になる。Scribdの成長は利益を犠牲にしたものでも、ユーザーの不満を蓄積したものでもない、ということが確認されなければ、安定成長とまでは言えないだろう。現状では、Scribdが儲けすぎている可能性は大きくないし、ユーザーの不満は会員数を減らすほどでないので、まだ「ボチボチ」という状態だと思われる。しかし、生き延びたことが重要だ。

本は読まれて減ることはない

考え、工夫し続けることで道は大きく開ける。なぜならここまできたのは「理」つまり安定したニーズがあるからで、テクノロジーとそれを使えるようにする知恵によって、それは利(成長力)を得る。買わずに借りる「貸本」は、もともと出版におけるソーシャルな形態として近代以前から存在してきた。出版の環境(テクノロジー)が変わって復活しただけのことだ。どう変わって、どう復活しつつあるのか。そのことは別に検討してみたい。 (鎌田、01/30/2019)

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