Kindle「インディーズ無料マンガ」第2ラウンドへ

アマゾンジャパンは2月13日、昨年夏に始まった「Kindleインディーズマンガ」に合わせて設定した「インディーズ無料マンガ基金」を19年も継続すると発表した(新たに総額5,000万円を分配する)。「読者と収入」という、クリエイターがまず必要とする2つのものを提供するプログラムは継続されることになった。アマゾンのブログ 'Day One' で紹介されている。

第1位は新人の『江戸時代の経済入門!』

2018年は7~12月の約6カ月間で2,000万円以上が分配され、40以上の都道府県の数百人の作家が、KDPインディーズマンガを出版した。'Day One' のスタッフ記事(02/12)では、「Kindleマンガの売れ筋ランキング(無料)」で第一位を占めた『江戸時代の経済入門!』と作家の「アイタローさん」が登場した。証券会社に勤めながら執筆活動を続けるという「異色」作家の初発表作品が「経済×歴史」を描いた経緯は興味深い。SNSで4ページのマンガを毎週公開していったものを1冊にまとめ、まず電子と紙を即売イベントに出展して数十部を頒布したというのが11月。KIMプログラムには、同じものを12月初旬から登録したが、「爆発的な人気」を得たという。「分配金」以上に「アイタローさん」を喜ばせたのは、無料公開して多くの読者に読まれ評価を得たことだ。

「読者と収入」。わずかであっても、それが作家の創作のエネルギーとなるのはいつの時代も同じだ。どちらが重いかと言えば、それは読者のほうだ。なぜなら、読むことと書くこと、教えることと教わる、与えることと貰うことは、つねに表裏一体であり、思考と表現は一体として進化するものだからだ。互いを意識しない関係は昏く、光も色も見えない。このことは数千年前の古代文明から伝承されている。それは「善意の(贈与)経済」を前提としたものだが、出版と教育が強力かつ高価な知識コミュニケーション・システムとして成立した近代以降は、著者と読者の関係は、まず経済性という洗礼を受けなければならなくなった。

多くの人が期待しているように、Webとデジタルは、出版における「善意の経済」を成立させる可能性を持っている。もちろん「悪意の経済」への懸念も大きく、これまでは伝統的な出版社の心配が支配してきた。アマゾンはビジネスとして「善意の経済」を「通常の市場」に繋げるための動輪として「基金」を用意しているわけだ。一種の「クリエイターのベーシック・インカム」のようなものだ。新しいビジネスモデルは、少なくとも出版に関しては機能するだろう。アマゾンがそのためのシステムをすべて保有している。  (鎌田、02/19/2019)

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