『Web時代のブックビジネス ー 本/著者/読者に何が始まったか』内容紹介

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「Kindle以後10年」第2巻の1である本書は、一種の「歴史編」として計画されたものですが、この歴史は「Webの歴史」以外のものではないということに気がつき、構成を少し変更しました。

第1に、アマゾンがWebと本から生まれたものであったこと、第2にWeb以後の出版は、これまで私たちが知っていると考えていたものとは大きく変わり始めていたからです。どう変わったのか。「著者と読者」という、「お客さん」たちが出版の主役となり、ビジネスを動かす存在となったということです。これは「発見」でした。これが目に入らなければ、何も変わっていないように見えるでしょう。「ポスト・グーテンベルク」と同じように、「ポストWeb」時代は混乱の中で始まりました。

本書=第2巻の1(Book II-1) は、まず「Webと著者・読者」から始まります。Webは「本・図書館」を背景に「考えるための道具」として生まれ、ハイパーリンクを普及させ、すべての人に開放されました。それは人々の「体験」を計測し、サービスに反映させる技術(UX)によって「世界書店」「世界ストア」(=アマゾン) を生み出し、読書による「知識/情感」の共有の価値は、本のビジネスモデルを一変させました。複製を販売する「版」のビジネスは、読まれることでコミュニケーションの付加価値を高めていく新しいビジネスの前に独占的な地位を失いつつあります。紙は「ただ唯一の本」という意味を失ったのです。

Webにおける「本」は、言語コンテンツの結晶という伝統的な価値のほかに、コミュニケーションのノードでありバファとして、創造的な「コンテクスト」を形成することになるでしょう。本書Book II-1では、なぜ21世紀にWebが本を吸収したかを述べています。またアップル、Google、アマゾンというITの巨人3者が、本とどのようにかかわったかを振返ってみました。

第2巻の2 (Book II-2) は、新しい出版ビジネス台頭、旧いビジネスの「衝突と和解」を描きます。自主 (セルフ) 出版は、デジタルの価値を著者の(精神的・経済的)自立として確立しました。しかし、デジタルは「電子書籍」だけではありません。Web時代の出版は、フォーマット、チャネル、サービスを含む「著者・読者」のためのビジネスモデルとして発展してきました。6000万人を超える著者/読者コミュニティ (Wattpad) は、「読む/読まれる」共有価値がデータ化されることでAI時代の新しいモデルを生んでいます。OpenRoad社は「既刊・絶版」を宝の山に変える方法を発見し、オーディオブックは「聴く読書」を現代に復活させました。※第2巻の2は4月刊行予定です

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