米国書店商協会(ABA)がB&T撤退への緊急プログラムを発表

ドイツの取次最大手KNVグループが2月に「突然」倒産したように、出版流通では規模や歴史に関係なく撤退を考えておくべき時代となった。重要なことは、出版において「著者と読者」以外のすべての出版関連ビジネスは、Webを意識した再構築を迫られる時代となった。出版社と書店は「取次」なき時代に出版をどう立て直すか。

コマース・プラットフォームを含む緊急5項目

2009年からABAの会長の座にあるオーレン・タイチャー氏は、就任以来連続して会員数の拡大に成功するなど実績を残し、今年勇退することになっている。ベイカー&テイラー(B&T)問題は、最後の仕事となりそうだ。以下、会員向けニューズレター (BTW)に掲載された声明の要約を掲載した。

  1. イングラム社とは密接に接触してきたが、同社はとくにB&Tから仕入れてきた書店の必要に応えるために、担当窓口を用意し、在庫の体制を準備している。信用レベルも含めてB&Tとの取引を引き継ぐ用意があるので連絡を待っているとのことだ。
  2. ABAは昨年末以来、数十社の出版社に対して接触してきた。ことの重大性の認識は共有しており、一部は直接取引を増やす会社、イングラム社や独自の在庫拠点での対応を増やす会社もある。ABA加盟書店は、必要な出版社の担当者を確認してもらいたい。
  3. ABAは卸会社の Bookazine(ニュージャージー州バイオンヌ)を含む数社と接触し、B&Tの撤退による補充の必要が生じた場合の対応の意思を確認した。
  4. ABAは(とくにB&Tの役割が大きかった西部において)緊急の補充が必要となることも含めて体制を確保している。事態の進展についてはABAのニューズレターでお伝えしていきたい。
  5. ABAは、B&Tのコマース・プラットフォームを利用してきた書店と連絡を取り、ABAの IndieCommerce への移行を容易にする IndieLite プログラムを提案している。コマース・サービスは、今日の書店にとって不可欠な機能であり、ABAも重視している。

「地元書店優先」運動などで、消費者の支持を受けたタイチャー会長の手腕は、今回も十分に発揮されている。 (鎌田、05/09/2019)

参考情報

 

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