オーディオが文字を超える時:(1)百見も一聞にしかず

オーディオブックの市場性と利点については、まだ十分細部を検討されているとは思われない。米国では「存外」に売れて、活字本の半分は売れるかもしれないという程度にはなっているのだが、もしかすると、それ以上となる可能性も考えなければならない。それはどのような場合だろう。

「ち~が~う~だ~ろ~!」

「語られた言葉」と「書かれた言葉」の違いを意識する機会は、非常に少ない。後者がまず「読まねばならない/読むべき」内容としてあるのに対して、前者はコンテクストが特定された場合にのみ意味を持ち、個人的/社会的と区別されてきたからだ。

それが「デジタル」によって変わったことは、時々「このハゲーっ!」のような「録音された声」が、「暴言」などという活字より、圧倒的に強いインパクトを持ったことから分かる。それが活字のように消せないのは「体験」だからだ。百聞は一見にしかずというが、百見も一聞にしかずも真実である。それはデジタルとWebがあるからだ。「ち~が~う~だ~ろ~!」はまさに天の声となった。

長年の間、活字と放送は声の力を「社会的・組織的に」コントロールすることで一種の「権力」を発揮してきた。狭い空間で非対称性を極大化させてきた力は、Webによって、自身の暴力性を一身に浴びたのである。筆者もあの「声」によって音声言語への認識を変えたのだ。

Good eReader (05/22)は、サンフランシスコ在住の若いITライター、マーカス・ライリー氏が、新鮮な視点からオーディオブックの利点を10項目にわたって列挙している。とくに、紙をデフォルトとしながら、音声読書「にも」価値を認めてきた筆者から見て、若い彼の視点を新鮮に感じるのは、たとえば「もともと活字読書はしんどい」ものなのだと考えることだ。

本を読むには一定の予備知識が必要だ。たしかに本が「読んでくれる」快適さ、自然さに慣れてきたと考えなければ、最近のオーディオ出版の急速な普及を理解できない。 (鎌田、05/30/2019)

  1. 現代のライフスタイルにフィットする
  2. 読者の注意を惹きつける
  3. 若者を無用な情報から有効な文学へ目を向けさせる
  4. 新しい語彙を学ぶ
  5. 楽しく学ぶ
  6. 時間を節約する
  7. 旅を愉しむ
  8. 正確な発音を学ぶ
  9. 理解力を高める
  10. 確信を深める

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