中国映画市場が2020年、米国を抜く!

米国映画産業の代表的ニュースメディアであるThe Hollywood Reporterは6月5日、中国の映画市場が2020年に映画産業発祥の地である国を凌駕して首位を占めるという米国調査会社の予測を伝えた。今年の興行収入(BOR)は米国の121.1億ドルに対して110.5億ドルと推定しており、成長率からみて、119億ドルと122.8億ドルと逆転するとしている。

国内からグローバル展開へ:米国を追う中国戦略

この予測は、PricewaterhouseCoopers (PwC)によるものだが、米国でも信憑性が高いものと信じられている。米国の4倍以上の14億人の人口を擁する中国が、3億2,890万人の米国市場を抜くことは、5年ほど前には予想されていたが、その日が現実のものとなることは、世界のメディア業界の認識を改めさせることとなりそうだ。興行収入の伸び率は中国でも年率4%に鈍化、米国では1%となるが、なお上昇を続けるとPwCはみている。

米国ではWeb映画をOTT (over-the-top)市場と分類して、ケーブルや衛星などの「在来」の通信事業者系サービスと区別している。PwCはOTT市場についても調査を行っており、米国の定額市場は10%あまりで拡大を続け、Netflixが独走する市場も、Disney、WarnerMedia、NBCUniversalその他の参入で成長が鈍化し、いずれも国外市場への注力を強化している。グローバル市場は14%台と、米国以上の成長を続けている。いずれOTTはBORを凌ぐ規模となりグローバルではOTTが市場をリードするようになるだろう。

中国におけるコンテンツとコマース

Web時代にはコンテンツとコマースはともに消費者と接近していく中で新しいビジネスモデルを形成する。これは米国で先駆的に見られたことだが、中国では米国的なビジネスモデルを前提として、テレコム系コマース企業が「マルチメディア・コマース」を展開する。その速度は歴史的な背景を持たないだけに米国より早くなる。

中国の映画産業、コンテンツ産業は、巨大な国内市場を背景に、質量ともに世界市場で米国を追う存在となった。BORでもOTTでも国際化が進むだろう。日本の映像産業も戦略的な対応が求められているが、それは出版においても同様である。その理由を以下で検討したい。 (鎌田、06/13/2019)

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