高成長が続く米国のスマートスピーカ

米国の音声読書市場でスマートスピーカの位置が徐々に上がっている。NPRとEdison Researchが行っている Smart Audio Reportが19年春のレポートは、18歳以上の米国人の保有率は前年から35%増えて、保有数にして21%(5300万人)に達した。スマートフォンで始まったオーディオブックは、音声デバイスの多様化とともに新しい段階に入っている。

複数台保有が普及しスクリーン付が増える

複数台保有者が初めて大台を超えて52%に達した増加率(+14%)も、普及台数が1億1,800万台を超えた増加率(+78%)も市場の風景が変わりつつある。注目したのは、なんらかのスクリーン付が30%に達していることだ。 Amazon Echo Show や Google Home Hub のようなものだが、これらの普及も早い。ホームユースの環境でスクリーン付が一角を占めていると思われる。とくに新しいコンテンツの内容確認などに便利という評価だ。

 

スマートスピーカはまず、ラジオの代替(スマート化)から始まる。家電製品などのコントロールやメモなどに使うようになるのは急速に進むものではないようで、スマートな「スキル」については「関心」はあるものの、実際に使うようになるには、友人その他の話を聞いてからという人が多い。6割近いユーザーが、ハッカーによる個人情報の漏洩を懸念している。54%はメーカーのセキュリティを信頼しているが(そうでなければ買わないだろう)それほど高いものではない。スマート・スピーカーは必ずしも万人向けのものではない。利便性に「必需性」を感じる人はそう多くないし、不安を感じるい人もなお少なくない。それでも人口の2割を超えた。つまり、3分の1はほぼ確実で、5割を超えるかは不確実といったところだろう。

児童書市場が期待するホーム・オーディオ環境

オーディオ・コンテンツの消費との関係は、NPRの今回のレポート範囲外だが、APAのレポートでも確認されている通り、スマートスピーカは、オーディオブックの「ホームポジション」となりつつある。第一の理由は「子供/読書」の存在だろう。子供のいる家庭での普及/利用は高く、毎日使うユーザーは75%に達する。単純に児童書が売れるということで、最近開催されたボローニアの児童書ブックフェアでも、オーディオブックが最大の話題だった。紙の本も子供には必要だが、耳で聴いて心に響くものは必要だからだ。米国市場の成功は世界的に大きな影響を与えており、すでに児童書のオーディオ化を促進する要因として認識されている。 (鎌田、06/27/2019)

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