E-Book 2.0プロジェクトの10周年事業

半世紀以上の伝統を体現してきた米国ニューヨークの Book Expo (5/27-)は衝撃的なまでの閑散ぶりで、控え目に見ても業界が転換点を迎えたことを実感させました。6月6日のPublishers Weekly は、B&Nが大規模ファンドへの売却に近づいたことを伝えています。やはり一つの時代が終わりました。

最初のWeb書店 (Amazon)の登場から25年あまりで、書籍販売の主要業態(大規模ブックチェーン)は、おそらく半世紀の歴史を閉じることになります。出版の歴史における「大量販売時代」の終わりは、印刷本の万能性、唯一性神話が崩れ黄信号が灯ったことを意味します。出版においてデフォルトはなくなりました。著者/出版社/印刷会社はすべてゼロベースで考えるしかないということです。

本誌はこのことを前提にして、著者・読者、そしてそれ以外の主要パートナーである新旧の「出版者」にとっての選択肢を創刊以来探ってきました。デジタルという大きな方向が、「電子書籍」というひとつの道具で決まるはずはなかったから、出版における紙の時代はどう変わるのかに注目してきました。

それは一言でいえば「Web時代」ということですが、そこでは、本は印刷本という唯一のものから様々な形態をとります。分野としての成長が確定したと本誌が注目するのは、音声表現を開拓する「オーディオブック出版」、膨大な量のコンテンツが存在する既刊・絶版本という埋蔵金ビジネス、読者との対話を通じて変化する「ストーリー指向メディア」の3つです。

これらはメディアを超えてグローバルに展開するものであり、かつての活字本時代の地域出版権はほとんど意味を持たないでしょう。本誌は引き続き、市場、ビジネス、テクノロジーの観点から、Web時代の出版をフォローしていきます。

本誌の母体E-Book2.0 Forum開始から10年を経た今、下記の商品サービスを準備しています。

1. テーマ別ビジネス調査レポート

<1. オーディオブック、2. 既刊・絶版本、3. ストーリー指向など>:マンガ、中国、といったテーマも可能です。*今夏発売

2. E-Book 2.0 Forumのリフォーム

<出版の年代記、本とWeb、出版ビジネス、テクノロジー、資料・キーワードなどのテーマで新旧コンテンツを再構成>

関心をお持ちのテーマ/内容など、皆様のご意見・ご質問をお待ちしております。[編集部]

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