北京ブックフェア、最大規模で開催

北京の第26回国際ブックフェア(BIBF)は、8月25日に3日間の会期を終了した。参加32万人、出展2,600社、展示面積10万6,800平米という規模以上に、欧米の参加者の実感として市場のエネルギーを伝えるメディアに注目しているが、今年前半の欧米の低調と中国市場の成長を対比させ、ポーター・アンダーソンは、その違いが、テクノロジーにあると見ている。

ビジネス、テクノロジー、子供プラットフォーム…

成約に関するデータは中間的なものだが、業務提携は前年比5.6%増の5,996件、輸出契約は6.4%増の3,840件、輸入は4.3%増の2,156件と発表された。プロフェッショナル・プログラムの参加者は17万5,000人(前年比16.7%増)と発表されている。出展社の半数あまりは海外企業が占め、国際的にも最大級のブックフェアに成長したことを物語っている。欧米のフェアで見られる小規模展示やセミナー、サロンも1,186と格段に増えたようだ。

出版市場に強力に関与している中国電信 (China Telecom)は、「5Gリーディング・ゾーン」を展示し、5G高速通信サービスで可能となるUXをデモしたが、世界的有名作家の劉震雲氏(リュウ・チェンユン)、女性宇宙飛行士の王亜平氏(ワン・ヤーピン)を招いたインタビューと3Dホログラム映像表示は、インパクトがあったものと思われる。5Gサービスを出版に「惜しげもなく」使うのは、もちろん欧米の関係者にとっても驚きであったろう。

中国の「ソフトパワー」全開

5Gは産業インフラであると同時に商業応用として普及させようとしているのだが、そこでディズニーとの提携で注目されている子供向けオンライン・プラットフォーム Jiligualaをクローズアップしている。すでに2億人のユーザーを有し、米国系のベンチャー資金を集めているこのビジネスは、中国の出版戦略のスケールを示している。

米中貿易戦争で注目されたBIBFだが、そのあたりは中国側も配慮しているようで、書籍にまで課税する米国に対し、世界貿易をリードする「開放」色を演出している。おそらく秋のフランクフルト・フェアの展示でも一貫させると思われる。中国は国家としての「出版=文化戦略」を前面に出しており、コンテンツ・ビジネス(輸出・輸入)、デジタル・テクノロジーと統合することで、停滞する欧米を圧倒する勢いを示している。 (鎌田、08/29/2019)

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