成長を続けるデジタルの「大道」(1): 新しいエンジン

E-Book復刊/マーケティング専門出版社のオープンロード社(Open Road Integrated Media:  OR/M)は、今年前半の業績を発表し、前年同期比の売上が36%増、EBITDA (税引き前利益)では72%増という数字を発表した。売上で30%台はこの会社の「巡航速度」だが、利益は「復刊ビジネス」と独自の顧客マーケティングによるものだ。一見すると退屈なほどだが、なぜそんなことが続けられるのだろうか。

デジタル嫌い出版社のための「おまかせパック」?

理由は別に考えるとして、まずは退屈なほうのニュースから。ORMのポール・スレイヴィンCEOは、例年にない高収益を生んだ要因として、平均108%という伸びを記録している Open Road Ignition(以下Ignition)という、出版社向けサービスだ。スレイヴィン氏は、「新刊本と違って、ポテンシャルの確かなタイトルの"復刊"は、確かな売上が見込める。Ignitionプログのこれまでの販売実績は+406%に達する」と述べている。

Ignitionはただのメールやキャンペーンではなく、高度な(生きた)マーケティングである。コンテンツ・マーケティングについては多くの出版社が四苦八苦している。もちろん、紙と書店なら大きく外すことはないのだが、Webを(具体的な)コミュニケーションで使ったことがないために苦戦しているのだ。Ignitionは「基本」を実践するだけでどこまで売れるのかを示している。

Ignitionの成功の秘密は「新しい基本」

つまり、Ignitionは売れて当然、成長して利益が上がって当然だということだ。出版というビジネスは、興行と同じく「みず(見ず)もの」であるとはよく聞かされる言葉だ。では何が変わったのか。デジタル・マーケティングである。ORMの成長カーブがアマゾンのそれとよく似ているのは偶然ではない。ORMはアマゾンのプラットフォームを前提とし、実質的にアマゾンのブックビジネスの一翼を担うものとして生まれた。 (鎌田、09/10/2019)

→「成長を続けるデジタルの大道(2): 秘密?」(会員記事) に続く

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