カラー電子ペーパー製品が来年には登場しそうなことを先週お伝えしたが、情報源の Good e-Reader がさらに詳細を報じているので追加したい。新製品 Print-Colorは、スクリーンというより書写・画材・保存の媒体としての「紙」に近いものである。そして来年後半には「ノート」として登場する。
50年でカラーの記録・再現素材として登場
電子ペーパー(インク)は、1970年代にゼロックス社パロアルト研究所(PARC)のニック・シェリダンによって発明された 'Gyricon' が原型になっている。物質の状態を、電気・磁気・熱などによって自由に変化させられれば、静止画・動画などなんでも表示可能なスクリーンができるというアイデアだ。製品となることはなかったが、方向は原理的に正しく、ついにカラーでフレクシブルな表示を可能とする「紙」にたどり着いたのはそのためだ。筆者は第2世代の、つまりMIT式のスクリーンを1990年前後に見た。その時「10年以内に実用」と言われたものだ。これが結局 E-Inkになった。
E-Inkの公式製品名は Print-Colorで、赤・緑・青・黒(白)の4色の組合せでカラーを生成する。ライトブルーは青と白から、オレンジは赤と白から生成する。色数は表現可能な階調によって異なる。ベースは CFA (Color Filter Array)というBWタイプの ePaperディスプレイことになるようで、最終製品がどのような発色となるかは分からない。
Good e-Readerのコズロウスキ氏は、Print-Colorペーパーの出荷は2020年の前半(Q2)で、Q3にはワコムのデジタイザをベースとした電子ノート (E-Note)の形で披露されるだろうと述べている。すでに中国とEUのメーカーにはプロトタイプが出荷されているようだ。電子ノートがニッチなターゲットであることは間違いないが、これが電子手帳やE-Bookに拡張する原型になるものかどうかを誰もが注目しているだろう。◆ (鎌田、12/05/2019)
参考記事
-
Everything you need to know about E INK Color E-paper, By Michael Kozlowski, Good eReader, 11/29/2019