米国の出版シンクタンクNPD Book Scanが2020年末の販売予想を発表した。10月は年初以来の数字で、部数が7.1%増の5億5,800万部、定価ベースの金額は96億ドルと健全な数字だった(10月31日)。11月を含む次週は、例年の繁忙期だが、パンデミックの影響もありそうだ。しかし、NPDは年初来の延長を予想している。
嵐の跡を残さない出版
10月は大統領選挙の影響を受ける季節だが、成年及び青少年向けフィクションでジェームズ・パタースンや英国人作家リー・チャイルドなどが売れて、一部のノン・フィクションが織り込んだものの、影響を食い止めている。料理本では 'Modern Comfort Food (PRH) のシリーズが35ドルながらベストセラーとなった。ハイカロリーなディナー・メニューが売れたことは来年にも期待が持てる。
NPDのBook Scanは、書店のデータより、出版社の販売データを主としているようで「コロナレポート」を期待することはできない。結局、最近の出版界は、オンラインを主としているものなのだろう。◆ (鎌田、11/10/2020)
- NPD Books: US October Sales up 7.1 Percent Over 2019: ‘A Healthy Month’
By Porter Anderson, Publishing Perspectives, 11/10/2020