フランクフルト・ブックフェア(FBF)が発行するPublishing Perspectives (PP, 12/07) は、11月末までの米国図書データNPD Booksを総括したクリステン・マクリーン部長の記事を紹介している。販売部数はこの週で1,700万部に上った。出版社の小売金額は7.7%増の108億ドルを記録した。一方、B&N書店は幹部のリストラを発表した。
市場のリアリティ
今年秋からのNPDの数字にはどうもリアリティが欠けている。書店実売部数を集計する権威ある数字のはずだが、「パンデミック」以後、ロックダウン以後の書店の「現実」をそのまま反映しなくなったか、あるいは、もう一つの現実である「オンライン売上」を読んでいるためだろう。大統領選挙の「電子投票」のようだ。そして前大統領が「フェイク」と叫ぼうと、バラック・オバマ著『約束の地』(PRH)は、すでに400万部を販売している。
NPD BookScanは、紙やインクの匂いを伝えることなく、本の販売を伝えることになるだろう。そして欧米や日本もその轍を踏むだろう。「出版」にとって最も重要なことは「何部売れたか」、そして「何人に読まれたか/何回聴かれたか」ということになる。◆ (鎌田、12/24/2020)
- Sales Growth: 7.7 Percent Year-to-Date, By Porter Anderson, Publishing Perspectives, 12/07/2020
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