米国出版社協会(AAP)は、1月25日今年最初のStatShotレポートを公開した。2019年1月-11月を通期にして2020年と比較したもので、商業出版から教育 (K-12)・学術・大学出版社までを含む。20年11月の総売上は12億ドル。11ヵ月の合計は前年比0.8%増加で136億ドルとなった。都市のパンデミックと大統領選挙で「異常な年」となった年の数字がこういうことになることは珍しくない。
ロックダウンを経験したが「平坦な年」
商業出版の売上は前年同月比34.5%増で9億4300万ドル。1月-11月では9.7%増の78億ドル。ハードカバーが58.3%、4億6,420万ドル、ペーパーバックが35.6%増、2億5,720ドル、量販本は23.2%下落して1,470万ドル、2年ほど前から売れているボードブック(絵本)は27.8%増で2,130万ドルだった。eBook の売上は5.1%とやや増加、11月には8,790万ドル。1-11月では、上昇率15.2%の10億ドルとなった。
オーディオブックの成長は2012年以来の持続的傾向となっていたが11月に1.6%のダウンを記録した。 11ヵ月ベースでは15.2%増を記録、売上は6.09億ドル。
教育出版
2020年11月の教育出版の収入は2億5,380万ドル。前年11月に比べると3.8%の下落だが、通年で56億ドルとなった。この内訳は、高等教育のコース教材は11月19.0%下落したが、1月からでは1.2%上昇して27億ドルに回復した。12歳未満の教材収入は、11月は26.6%上昇したものの、同期間では20%下がり25億ドルとなった。経営、医学、法律、技術を含む専門書は、11月は4.5%下落し4760万ドル。同期間では2.3%微増し5億5280万ドルとなった。大学出版は11月13.9%下落し340万ドル、同期間では2.6%増の4470万ドルとなった。◆ (鎌田、02/18/2021)
(※図はすべてAAP StatShotレポートより引用)