Webが普及し始めた1994年を起点に、本/出版から生まれる持続性(永続性)の可能性を追求してきたアマゾンのビジネスモデルは、最終的にパンデミック下の2020年に実証され、グーテンベルク以来の伝統が更新されたことが確認された。この持続性モデルを確認したことで、ベゾス氏は引退できたと思われる。重要なことは、本/出版とコンテンツ/コマースは二重の意味で持続性があることだ。システムの拡張と維持だ。
持続性を志向するモデルの更新
新しいCEOの名前を知っている人は少ないだろうが、それは誰がなってもアマゾンのモデルは完成されており、自己相似でパフォーマンスは初代と並ぶほどに高く、感情の振幅はより少ない人物であるだろう。アマゾンはスタッフの出入りが少ないことで知られるが、それはKindleや出版部門でも徹底している。書店ビジネスが戦略的に不動で、複雑、微妙で同じチームでの経験が重要だからだ。書店は巨大ビジネスモデルの発祥で、ここからアマゾンが生まれた。
アマゾンと出版の永続性の発見

出版の限界は、活字、紙、都市、エネルギー、コミュニケーション、ロジスティクス、デジタルによって乗り越えられ、そして音声を解放したことで言語文明の持続性を実証した。すべては「本/書店」から発見された「永続」である。
2019-20年パンデミックは、最後最大の試練とみられたが、すでにデジタルが紙をカバーする体制を築いていた21世紀の出版は、世界的規模でスムーズな移行を見せている。版と複製は唯一のマネタイズ手段ではなく、「コンテンツと配布」から「価値」が生まれることが確認されたからである。コンテンツは物質化しなくても複製できるようになった。そうすることで、貸借はデジタルの手段として復活し、「サブスクリプション」という低コストのデジタル市場が生まれた。
日本ではまだ、この市場は流通手段を普及させたアマゾンの周辺でしか機能していないが、今後急速に発展するだろう。コンテンツとマーケティングの方法によってマネタイズの方法が拡大するからだ。
これまで、文字-印刷-紙-書店だけが唯一のチャネルであったが、Webによってコンテンツ化と販売にはほとんど制約がなくなった。商品化可能なコンテンツなら販売可能だ。顧客と関心があれば、市場と販売方法が生まれ、「情報と価格」は時間によって形成されるだろう。アマゾンは市場から情報を得る方法を蓄積している。それが "The Everything Store" の原理だからだ。
価値を生む機会は、著者や出版者だけとは限らない。最も多いのは読者だろう。価値と価格は、売り手と買い手で決まるが、その合理性は「顧客満足度、顧客体験」で計測される。この顧客サイクルの合理性が、アマゾンの成長の持続性を維持してきた。そして過去のすべてのフォーマットや商品は、明日のビジネスの資産でもある。◆ (鎌田、02/18/2021)
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