プラトンの伝説などに由来する古代文明の謎の島「アトランティス」については有名な割に知られていない。1万年より前に大西洋上に存在したというが消失したことが尽きない物語を生んできた。2006年、パリで設立されたオープンアクセスのAtlantis Pressは学会系議事録の専門出版社のひとつだ。
学術系OA出版の拡大
Atlantis Pressのポートフォリオには、125,000以上の記事を含む、17のシリーズ全体で1,200以上のエントリがある。 Springer Nature社は、Atlantis Pressの買収を自社の書籍ポートフォリオを補完する手段と見なしている。
Springer Natureは現在、年間1,800を超えるタイトルを発行しており、オープンアクセス作業で積極的にその地位を築いてきた。学界は、無数の学会の有機的な連携から成り立っている。高度な知性を持ち、学問的でありながら非営利的な古代人を理想としたものらしい。
OA出版は、教育系や学術系の非営利出版の周辺に生まれたデジタル出版社である。学界の議事録 (Proceedings)とともに生まれる国際的な学術インフラのメンテナンスは、その名に相応しい。
Atlantis-Springerのプラットフォーム
Springer Natureのニールズ・ピータートーマス社長は、「当社のグローバルな流通ネットワークとSpringerLinkなどのプラットフォームにより、重要な出版物、科学・学術コミュニティからの出版物を多くの人々が読み、利用することを期待しています。」と述べている。Atlantis Pressによれば、同社は14万ものドキュメントを管理し、毎月150万回以上のダウンロードを発生させているという。フォローしているイベントは、4週間以内に会議の議事録を公開することを約束している。
Atlantis Pressの買収は、2010年および2018年の共同出版計画に続くもので、Atlantis PressでリンクされSpringerNatureのチャネルから印刷タイトルとしてリリースされた115点がある。今後も同様な出版が進められると思われる。◆ (鎌田、03/24/2021)