ANALYSIS & COLUMN
第三の創業か消滅か:大起業家最後の闘争 (♥)
“米国最大の書店”Barnes & Noble (B&N)はいま存亡の危機にあり、投資家に乗っ取られるか、独自のデジタル化戦略が株主の支持を得て再生できるかの瀬戸際に立っている。B&N経営陣がSECに提出した株主プレゼン資料が明らかになったが、そうした切迫感が溢れて歴史を感じさせる。同社は1873年に創業。その後学生ベンチャーで成功したレナード・リッジオ現会長が1971年に買収して“第二創業”と急成長を経験した。[全文=♥会員]
流動化する“E-Book以後”の出版契約
この1年の間に、米国では出版市場におけるE-Bookの重みは増したが、同時にビジネスモデルや契約モデルも大きく変動した。出版社にとっては、 変化という以上に、明日の市場環境が読めないこと頭を悩ませている。著者との出版契約は日々の問題だが、どうやら変化を前提とし、柔軟性を持った期間限定・バスケット型契約で当面を乗り切ろうというものが主流になりつつあるようだ。(つづく)
NEWS & COMMENTS
NYで最初の自主出版エキスポ
米国ではSelf Publishing(自主出版)が様々な点で注目を集めているが、10月2日、ニューヨークでSelf Publishing Book Expo (SPBE)というイベントが開催される。今年が第1回となるもので、パネルと展示を中心に行われるが、自分で本を出したい人、ミニ出版社を志す人などを 対象としている。プロがやっていること(やるべきこと)を最小単位にスケールダウンして議論するもので、内容はすべての出版人にとっても役立つ内容と思わ れる。編集のプロに、自分の原稿をその場で評価してもらうセッションもある。(つづく)
サイモン&シュスター社がVook 47点を発売
サイモン&シュスター社は、マルチメディアとWeb 2.0を融合させた拡張型E-Book環境VookをベースにしたE-Bookコンテンツ47タイトルをiBook Store向けに一挙発売した。今回の目玉は、米国のロックバンドGuns N’ Rosesのドキュメンタリー “Reckless Road” (by Marc Canter & Jason Porath)で、17本=計40分に及ぶビデオインタビュー、200枚の画像を含む。DVDではありえない$4.99という価格が最大の魅力だろう。(つづく)
Kindleファームウェアまた更新
アマゾンはKindleファームウェアv3.0.2の公開を 始めた。ユーザーは1ヵ月あまり前に更新されたばかりのv3.0.1から手動でv3.0.2に変更することができる。内容についてはWebブラウザおよび パフォーマンスの改善とされている。後者については、Kindle 3でのページ送りの際の遅延(屋外使用時)などに対処したものらしい。(つづく)
Androidタブレットの本命!?:Galaxy Tab (♥)
2010年前半はiPad一色だったが、秋からはAndroid機が続々登場し、タブレット市場を盛り上げる。なかでも注目されているのは、欧州および米国で発表されたサムソンのGalaxy Tabだ。強力で安価な自社製部品を使い、かつての日本メーカーのような垂直統合型製品をシリーズ展開する。価格は未発表だが、戦略的価格で登場する可能性が高い。海外メディアの記事をもとにGalaxy Tabの行方を占ってみた。[全文=♥会員]
マクミランがイングラムと提携しPODサービス (♥)
マクミラン社は9月21日、米国の書籍卸最大手のイングラム社(Ingram Content Group Inc.)と提携し、オンデマンド印刷(POD)および配送サービスを開始することで合意したと発表した。マクミラン社は、在庫を最適化しつつ“ロングテイル”タイトルを迅速に配送できる体制を構築する。イングラム社はEspresso Book Machine (EBM)を使ったLightening Sourceというサービス網を構築している。>[全文=♥会員]
米国市場は7月にスランプ脱出
DPF の発表した数字によると、7月度の米国のE-Book販売は、4,080万ドルと過去最高値(1月の3,190万ドル)を更新し、前月比で37%の 増加、前年同月比では2.5倍の規模となった(卸値ベース)。米国のE-Book市場は、1月に最高値を記録した後、月次ベースでは“低迷”の徴候を見せ ており、2Qで初のマイナスを記録したことから、これが成長曲線の鈍化につながるかどうかが注目されてきた。簡単に要因を分析して、今年後半を占ってみた い。(つづく)
Amazon Crossingが出版を本格化
Amazon Crossingは、来年春にかけての新刊予定6点を発表した。すべて印刷本とKindleで入手可能で、多くはアマゾン独占で提供される。5月にギニアの作家Tierno Mone’nemboの仏語作品 “The King of Kahel”の英訳を出してスタートして以来、一挙に、というわけにはいかなかったが、しだいにシリーズとしての体裁が整うことになる。(つづく)