ANALYSIS & COLUMN
電子雑誌をめぐるアップルとGoogle (♥)
電子雑誌をめぐるアップルとGoogleの攻防が激しさを増している。前号でご紹介したように、まだビジネスとして成立していない段階だが、巨大(メタ)メディアとして普及が約束されたiPadやAndroidタブレットが、数千万の読者と広告を呼び込む雑誌出版社を引き込もうと動いているためだ。しかし、雑誌出版社にとって広告(=個人情報)ビジネスを重視するプラットフォーム企業との共存は、少なくともバーゲニングパワーを持たないと成り立たないと考える筆者は、独自プラットフォームという第三の選択を提唱する。[全文=♥会員]
タブレット市場予測の問題点 (♥)
フォレスター・リサーチ社は1月4日、米国タブレット市場の最新予測(改訂)を発表し、2015年までに米国のオンライン消費者人口の3人に一人がタブレットを保有することになると予測した。同社は昨年6月のレポートで350万台としたが、iPadは単独で夏までにその数字を達成。今回のレポートでは、2010年のタブレット販売台数を1,030万台としている。競合製品は多数登場するものの、2012年まではiPadが市場をリードするとしている。昨年からまた上方修正だが、残念ながらなお問題が解決されていない。[全文=♥会員]
NEWS & COMMENTS
崖っぷちのボーダーズ
米国書店チェーン第2位で内外に676のストアを展開するボーダーズ(Borders Group)が、いよいよ崖っぷちに立たされている(Publishers Weekly 01/05など)。年明け早々、同社は出版社への売上精算に遅延が生じ、債務の借換えに動いていることを認め、役員2名が退任した。借換えに成功するかどうかは不明としているが、出来なければ信用取引の停止、流動性不足に陥り、事実上の倒産に至るだろう。いくつかの出版社や取次企業はすでに取引を停止している(最大手のイングラムはまだ継続)。[続きを読む]
東芝がAndroidタブレット新製品を発表
東芝はCES 2011開催直前の1月4日、ラスベガスでFolio 100に続くAndroidタブレットの新製品を発表した。画面は10.1型で、NVIDIAのTegra 2プロセッサがAndroidの次世代OS(3.0?、開発コードHoneycomb)OSを駆動する。画面と解像度はiPadより大きく、1280x800、重量770g、厚さ15mm。背面に5M、前面に2Mpixのカメラを搭載、USB、HDMI、SDカードスロットをそれぞれ装備。802.11n Wi-Fi、Bluetooth, GPS、重力センサ、光センサも付いている。もちろんコンテンツ配信のToshiba Book Placeのリーダを搭載。価格は未定。[続きを読む]
iPad+Kindleの両立が実証された
iPadとKindleが対立するものではないことは本誌でも強調してきたが(例:「今年のKindleは予想を裏切って800万台」)、そのことを確証する調査結果が、J.P.モルガン(インターネット・チーム)から発表された。それによると、iPadオーナーの40%がKindleを所有しており、23%は12ヵ月以内に購入しようと考えている。合わせるとじつに63%にものぼる。この「iPad + Kindle」層はやはり本の虫で、本をよく読む層ほどKindleを必要としていることが分かる。昨年アマゾンは800万台以上のKindleを販売したと推定されているが、こんな共存が行われていたわけだ。[続きを読む]
さらば「ガラパゴス」!?:GALAPAGOS海外へ
Device Magazine (12/30/10)が伝えるところによると、シャープがGALAPAGOSの海外展開を計画している。まず米国の書籍・雑誌市場に投入するが、国際版はePUBをサポート(!)し、Wi-Fiに加えて3Gを装備する。そして5.5型と10.8型製品を米国に続き、中国、インド、ブラジルにも展開する。また朝日Web版(12/31/10)によれば、インドで電子教科書端末として実用化する方針を固めたという。日本ではブックストアでのコンテンツの拡充が「遅々として」進んでいるが、シャープは日本に拘ることなく成長性の高い海外に目を向けている。[続きを読む]