ANALYSIS & COLUMN
出版社向けFacebookマーケティング環境Odyl始動 (♥)
ソーシャルマーケティングのためのWebサービスを提供しているニューヨークのOdyl(オーディル)は9月13日、デジタルコンテンツに最適化したFacebookプラットフォームをリリースした。出版社や著者が、本(やアプリ)の抜粋、予告などを投稿し、読者の反応をチェックするメトリクス・ツールなども付いている。Odylはすでにアシェット、ハーパーコリンズ、マクミラン、ペンギン・グループ、ランダム・ハウス、サイモン&シュスターおよびエイヴォンなど大手各社を顧客に有している。[全文=♥会員]
アマゾンの雑誌コンテンツ・マーケティング (♥)
アマゾンは9月13日、印刷媒体の定期購読販売に関し、大手雑誌出版グループのハースト社との提携を発表した。ハーストは約400万以上の定期購読を毎年オ ンラインで販売しているが、アマゾンとの提携により、これを大幅に増やすことを期待している。400万という数は、数百という同社の雑誌とそのWebサイ トの数からするとお話にならないくらい少なく、ハーストは定期購読獲得のためのコストが高い伝統的なマーケティングの限界と、オンライン・マーケティング 能力の低さを認識してアマゾンと手を組むことにしたと思われる。一見すると電子雑誌は含まれていない。しかしこれが雑誌にとってはまだ「付け足し」である ことを忘れてはいけない。これは実質的に電子を含み、長期的・戦略的なものだ。 [ 全文=♥会員]
NEWS & COMMENTS
米国の6月:電子本高成長維持も、印刷本大幅減
米国出版社協会が6月度の出版統計(出版社の卸販売額)を発表し、E-Bookは前年同月比167%増と、これまでのペース(前年比2.5倍)を維持したものの、成年向けペーパーバックが-64%と激減。同ハードカバー(-25.4%)、量販本(-21.6%)、児童・青少年向けハードカバー(-30.8%)、同ペーパーバック(-13.6%)と、印刷本が“総崩れ”とも言える状況を呈した。一部の出版社の1ヵ月分のデータで全体を云々できるものではないが、衝撃的な数字ではある。[続きを読む]
E-Readerが大人と女性に浸透:米国調査
メディア調査会社のニールセンは8月25日、タブレットとE-Readerユーザーに関する四半期調査を発表し、この1年で年齢・性別による保有傾向が大きく変化したことを明らかにした。普及率が高まるにつれて、若年・男性中心から、より幅広い層に浸透しつつある。またE-Readerでは、女性比率が61%に上昇し、中高年比率(45+)も51%と半数を超えた。もともとガジェットとしては中高年比率が高かったが、読書人口を反映したものとなりつつあるようだ。(写真はアマゾンの米国TVCM広告)[続きを読む]
アマゾンが出版社にライブラリ方式提案か
Wall St. Journalが9月12日、アマゾンに近い「情報筋」の話として伝えたところによると、アマゾンは出版社に対し、Netflix (あるいはAmazon Instant Video=写真右)のE-Book版ともいうべき年間購読者へのライブラリ・サービスを提案し、交渉を行っている。WSJによると、版元数社の反応は消極的であるというが、このビジネスモデルの採用がすぐに広がるものではないとしても、業界に与える影響は少なくない。少なくとも大手出版社の首脳は、このオファーの背後にある嫌なものを感じているようだ。コンテンツはコンテンツ。[続きを読む]
英紙The GuardianがE-Book一挙10点を発売
英国の有力紙The Guardianは9月12日、Guardian ShortsというE-Bookシリーズを10点刊行し、iBooksとKindleを通じて販売を開始した。先月、ニューズ社による電話盗聴事件を究明したガーディアン紙スタッフのドキュメントなどをもとにE-Book化したのに続くもので、同紙が電子出版を事業として重視している姿勢が明確になった。これは米国のAOL/Huffington Postとも共通した動き。ペイウォールの限界が見えてきたいま、新聞社は(どんな)出版社になろうとしているのか。[続きを読む]
Amazon.esサイトがスペインに開設。Kindleは年内
アマゾンは9月14日、マドリードで記者会見を開き、同社で7番目となる国別サイトを開設し、15日から営業を開始することを明らかにした。スペイン在住者は、同社の通販サイトで商品を購入し、MWR社を通じて配送サービスを受けることができる。しかし、スペインでのKindle Storeの開設は物販サイトに遅れ、年内になるようだ。アマゾンはEU市場への進出を強化しており、次はフランスと言われている。[続きを読む]
PMNはタブレットを定期購読者に99ドルで提供
米国フィラデルフィアの2つの新聞で構成するオンライン・メディアPhiladelphia Media Network (PMN)がタブレットと購読を組合せたパイロット・プロジェクトを開始するというニュースは、本誌7月14日号でお伝えしたが、これに使われるデバイスがフランスのアルコース社製の10インチ機、Arnova 10 G2に決まり、契約モデルが明らかになった(Liliputing, 9/12)。同機は月額9.99ドルで2年間の定期購読者には99ドル、同12.9ドルで1年間の購読者には129ドルで提供。当面は5,000台限定だが、反応がよければ11月から正式採用される。[続きを読む]
CLIP BOARD
- シャープ、メディアタブレット「GALAPAGOS」5.5型/10.8型販売終了 (2011/9/15 シャープ株式会社)
- この夏、電子書籍市場は燃えていたか? (2011/9/13 IT Media)
- 学研・日経BPが電子書籍共同キャンペーンを開催 (2011/9/13 IT Media)
- 本好きはここを押さえろ!「ダ・ヴィンチ電子ナビ」がオープン (2011/9/9 IT Media)
- うわさされるアマゾンの「デジタル図書館」--書籍業界にもたらす変化 (2011/9/15 CNET Japan)
- 米Amazonがメディア大手Hearstと提携、紙雑誌販売経由でeコマースを拡大 (2011/9/15 hon.jp)
- 独Springer、自社電子書籍の書誌情報・リストをダウンロードできる図書館向け新ツールの提供を開始 (2011/9/13 hon.jp)