ANALYSIS & COLUMN
UIの権威ニールセン博士がKindle FireのUXを酷評 (♥)
UI/UXの権威であるヤコブ・ニールセン博士のニューズレター、Alertbox12月5日号は、Kindle Fireのユーザビリティについての定性評価レポートを掲載し、「すべてが小さすぎる」KFのUIがもたらすUXを辛辣に批判しつつ、7型タブレットのUIデザインの特異性と、この“中途半端な”判型に適したデザインの必要を指摘した。故ジョブズは“7型iPad”について、「人間の指が縮まない限りはない」と否定したことは有名だが、この問題はどう乗り越えられるだろうか。なお、Fireファンからの炎のような非難に対して、丁寧に反論するところはさすが。[全文=♥会員]
米国書店のクリスマスセール好調の原因は?
米国の在来型書店は、E-Bookの「持続的急成長」と不況の影響で、今年のクリスマス商戦を大した期待もなしに迎えた。しかし、NY Times (12/12)によれば、最初の1週間は予想外の売上だったようで、全米最大のチェーンB&Nは、前年比で10.9%の増加、独立系が加盟する全米書店協会(ABA)は16%増、と「驚異的」によく売れたという。同紙は「最悪」だった昨年末の状態と比べて、喜ぶ書店の声を伝えている。[続きを読む]
NEWS & COMMENTS
バチカン図書館が収蔵写本8万点のデジタル化に着手
世界最古・最大の図書館の一つであるバチカン図書館は12月6日、NASAが開発したFITSという天文画像処理技術を使って、8万点に上る写本をスキャンする計画を明らかにした。歴史的写本の電子複写は何度も試みられてきたが、従来の方法では、すべての情報を精確に超高解像度で複写し、かつ原本に損傷を与えないこと、それを数万点の書物に対して行うことは困難だった。最新技術はこれをどう実現したのだろうか。[続きを読む]
対話型3次元ロンドン歴史地図サイトが開設
教育と研究開発へのITの応用・普及のために英国政府が設置した専門家委員会であるJISCは、このほどロンドンの歴史を様々な角度から知ることが出来る「対話型3次元歴史地図」サイトを開設したことを発表した。犯罪と刑罰、富の分布、商品などに関する人文・社会科学系の実証研究の最新の成果を反映したもので、貴重な図版や新しい対話型ピクトグラフを駆使し、かつてない精度で描かれているという。[続きを読む]
米国BISGがE-BookのISBN指定の指針
米国の出版業界のシンクタンクであるBook Industry Study Groupは、E-BookのISBN指定に関して生じている混乱を解決するため、1年半に及ぶ成果をベストプラクティス(推奨手順)としてまとめ、Policy Statement (指針)として公表した。これは北米の標準化機関や出版関連団体の推薦を受けており、2012年3月までに出版社に採用されることが期待されている。[続きを読む]
PRESS RELEASE
- ビットウェイ、新プラットフォーム向け電子書籍流通事業が累計100万ダウンロードを達成! (2011/12/12 株式会社ビットウェイ)
CLIP BOARD
- 「電子書籍の作家には文字数は指定しないほうがよい」米Harvard大学のジャーナリズム研究誌 (2011/12/15 hon.jp)
- 電子書店はルクセンブルクで開店するのが賢い? 欧州各国間で電子書籍の付加価値税率に大きな差 (2011/12/15 hon.jp)
- Google Book Search裁判が再開、米作家団体The Authors Guildが当事者確認書類を裁判所に提出 (2011/12/14 hon.jp)
- 中国ECサイト大手「dangdang.com」も電子書籍販売に参入、来年には専用端末も発売へ (2011/12/13 hon.jp)
- 米Amazon、1日限定でライバル店内でバーコードスキャンした雑貨を5ドル割引に、全米書店協会が激怒 (2011/12/12 hon.jp)
- 米Google、人気アプリFlipboardのライバル「Google Currents」を米国限定で公開、EPUB電子書籍のインポートも (2011/12/12 hon.jp)
- BookLive、オンキヨー端末「TWシリーズ」へ電子書籍アプリを提供 (2011/12/9 hon.jp)
- 雑誌『ぴあ』が電子書籍で復活、12月16日から (2011/12/14 IT Media)
- 物理学者アイザック・ニュートンの大学ノート・自筆書が電子化 (2011/12/13 IT Media)
- 出版状況クロニクル 43(2011年11月1日~11月30日)