ANALYSIS & COLUMN
「'Fifty Shades’ 現象」に乗る欧米出版社:(上)
Publishers Weekly (Rachel Deal, 9/28)誌によれば、夏のロンドンなどに続き、フランクフルト・ブックフェアでも、E.L.ジェームズ(写真)の世界的ベストセラー 'Fifty Shades of Grey' が大きな話題として取り上げられ、また同分野の版権取引が活発に行われるという。この三部作の作品評価はともかく (賛否両論というより、かなり悪い)、4,000万部を超えた驚異的な世界的成功から、現在の出版マーケティングを読み解くキーワードが得られるのでは、と誰もが考えたということである。[続きを読む]
「’Fifty Shades’ 現象」に乗る欧米出版社:(下) (♥)
出版社探しに苦労し、生活保護を受けながら執筆を続けた『ハリー・ポッター』のローリングスに対し、同じ英国人のE.L.ジェームズは、ファン・フィクションを足がかりにオーストラリアで自主出版デビューし、25万部も売った実績をひっさげて、米国RH系出版社から破格の条件で迎えられた。隔世の観があるが、この出世コースはすでに定着したことはすでに書いたとおりである。出版のプロからはゴミの山と見られていた自主出版から出版界を牽引する大ベストセラーが生まれたのはなぜか、それによって何が起きているのかを見ていきたい。[全文=♥会員]
NEWS & COMMENTS
「千円」E-Reader時代到来か!?
E-Inkリーダは多様化に向かう、と本誌は予測しているが、ドイツのE-Book企業テクストル社 (txtr GmbH、ベルリン) は、シンプルで小型化を徹底させた新製品 txtr beagle を発表した。5型 (800x600)で128g、薄さ5mm、単4電池3本で約1年使用可能。最近のトレンドであるタッチスクリーン機能はなく、Wi-Fiもないが、Bluetoothをサポートし、タブレットやスマートフォンからデータをダウンロードする。同時に収納できるE-Bookは5冊と少ないが、通信会社から提供される予定価格は10ユーロと言われる。同社にはスマートフォンに近い4.3型、111gのMini Pyrusもあるが、価格ではこれがおそらく世界最廉価。[続きを読む]
オープンな“ソーシャル”を実現するBookShout (♥)
ソーシャル・リーディングはオープンな環境を必要とするが、個々のユーザーの読書は特定のプラットフォームに制約される。KindleにはKindleの、KoboにはKoboのソーシャル環境があり、その境界を超えることは実際上不可能と考えられてきた。書籍流通大手のイングラム社 (Ingram Content Group) のイングラムCEOが支援するスタートアップのBookShout(テキサス州ダラス)は、この「不可能」を可能にしたアプリで業界を驚かせた。ことによると新しいプラットフォームになるかもしれない。[全文=♥会員]
KoboがHTML5技術基盤強化へ仏Aquafadasを買収
楽天のE-Book事業部門であるKoboは10月10日、デジタル出版ソフトウェア企業 Aquafadas(仏モンペリエ)の買収に関して合意に達したことを明らかにした(金額など詳細は不明)。アクアファダス社はHTML5やFlashを使ったソリューションを提供し、コミック・ソフトウェアに強いことでも知られる。aquafadasとは「養魚場」のような意味だが、動画/スライドショー表示を中心とした各種Webオーサリング・ツールを有している。[続きを読む]
CLIP BOARD
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