Vol.3, No.26, 14/03/2013

14/03/2013 通巻130号|♥=会員向け記事(有料)|新規申込

ANALYSIS & COLUMN

記事広告は希望の光か砂漠の蜃気楼か(♥)

thumb_up_down米国のワシントンポスト紙は3月5日、新たに「マーケッターと読者を安心できる環境でつなげる」BrandConnectという広告記事用プラットフォームを立ち上げた。記事はWPのホームページ上で「スポンサー提供記事 (Sponsor Generated Content)」という青枠の但し書き付で通常記事と混じって掲載される。こうした試みは米国の一般紙では最初のもので、オンライン・ニュースメディアが広告収入を得る「希望の光」として期待と注目を集めている。しかし、これはリスクが大きく、それに対する多重の防護装置を設計し、改善していく必要がある。[全文=♥会員]


ジャンル・フィクション台頭の意味するもの(♥)

RedHotハーレクイン社はコスモポリタン誌との提携によるE-Bookプログラム ‘Red Hot Reads’ のキックオフとしてエロチカ・ロマンスの大御所シルビア・デイとの間に2点の出版契約を結んだことを発表した。金額は7桁(x百万ドル)。雑誌や新聞が書籍(E-Book)に進出する動きは昨年から目立っており、雑誌(Playboy、Newsweek/Daily Beast)、新聞(Washington Post、Wall Street Journal)、放送(NBC)など一般化しつつあるが、今回は書籍-雑誌の提携で金額も大型化した。これにはデジタル化による構造要因が背景としてあり、一過性のブームと考えるのは危険である。[続きを読む]

E-BOOK KEYWORDS

デジタル・ファースト:新事業か出版の未来か

digital_firstデジタルコンテンツの販売を先行させる出版形態だが、その意味するところは浅くない。「デジタル」をどのようなものと認識するかで対応も異なってくるから だ。これは出版における例外なのか、補完なのか、それとも未来形なのか。2007年以降5年間のデジタル革命の展開をみてくれば、すでに例外ではあり得な い。そして印刷がもはや21世紀の出版需要に応えきれない以上、それは明日と考えるほかないだろう。写真/カメラのように。

NEWS & COMMENTS

ニューズ社がタブレット教育ソリューションAmplify

AmplifyTabletルパート・マードックのニューズ社 (News Corp.)のAmplify事業部門は3月6日、テキサス州オースチンで開催されたSXSWedu カンファレンスにおいてAmplify Tabletという学校教育用10型タブレットを発表した。「初のタブレット・ベースのオープンなK-12(初等教育)用学習プラットフォーム」と銘打たれており、秋からの新学期に対応し、$299で発売される。同社はこのタブレットをプラットフォームとして、アプリを経由したコンテンツとサービスを提供していくとしている。[続きを読む]


出版に非ず、とSFWAがランダムハウスを非難

Flirt-Alibi-Hydra1米国ランダムハウス社の新しいデジタル専門SF出版ブランド Hydraが作家に提示した契約条件を巡って、SF作家協会 (SFWA)との間で紛争が持ち上がっている。著作権および二次著作権を含め、前渡金(advance)なしという契約条件にSFWA側が激怒し、事実上のボイコット呼びかけに発展したものだ。客観的に見てこれは新しいビジネスモデルとも思えず、長年にわたって前渡金こそが(額の多少にかかわらず)職業作家の証であり、死活的なものであったことを考えれば、作家を怒らせただけだ。[続きを読む]


専用E-Readerの普及率はなお上昇

Pew_Internet昨年末に出されたiSuppliやIDCのデバイス市場予測でE-Readerの死が予言されたことは本誌でも紹介したが、ニューヨークのメディア・シンクタンク、ピュー・センター (Pew Research Center)が行った米国人のモバイル購買行動に関する1月の月次調査で、年末のホリデーシーズンを挟んで、専用リーダの保有率はなお上昇していたことが明らかになった。タブレットの普及率の伸びが遅いわけとコンテンツ市場におけるE-Readerのユニークは役割はかなり鮮明になってきた。[続きを読む]


いくつ売ると、アマゾン・ベストセラー?

Amazon_BestsellerPublishers Weekly誌(PW)は3月10日、「アマゾン・ベストセラーに載るには何部売ったらいいか?」という興味深い記事を載せた。印刷本ベスト5の中から1点を選んで、Nielsen Bookscanの実売データをチェックして分析したものだ。アマゾンのシェアを30%として、その答は1日315~459部。1,000部台ではなく、意外とふつうの数字だった。当たり前の話だが本という商品はじつに息の長いものだ。E-Bookについての数字はまだないが、そのうち登場することを期待したい。[続きを読む]


ランダムハウスがSNSアプリ BookScoutを更新

BookScoutランダムハウス社は3月13日、1月22日に静かにスタートしたFacebookの BookScout アプリを更新した(→リリース)。FacebookのタイムラインとAboutページの機能向上に対応したもので、アプリ上でのユーザーの活動を Facebookのタイムラインに反映されることが出来るようになった。タブレット上での操作性も改善された。近日中にスマートフォン向けの最適化や「推薦」機能の拡張などが予定されている。スムーズな機能拡張は利用と表裏の関係にあり、このアプリが本気のもので、軌道に乗りつつあることを示している。[続きを読む]


米国E-Book価格動向:価格刺激はしばしば当たる

Wait-For-YouDigital Book World (DBW)は、先週のE-Bookベストセラー・ランキングで、初めて自主出版系タイトルがトップを占めたことを明らかにした (3/12)。ジェニファー・アーメントラウト(J.リン)の恋愛小説 'Wait for You' で、2月26日に発売されたものの25位以内に入っていなかったが、著者=出版者の判断で限定3日間に$0.99(通常は$2.99)で販売したことで一躍トップに躍進したものと考えられている。こうした価格による刺激策は、旧作によく用いられるが、1ヵ月もたたない段階ではめずらしい。翌週がさらに注目される。[続きを読む]


ランダムハウスがデジ・ブランドの契約条件を改訂

Hydra3月12日付の記事でランダムハウスのデジタル出版ブランドの契約条件をSF作家団体 (SFWA)が批判した事件をご紹介したが、日本時間で13日、ランダムハウスは提示していた条件を大きく改訂し、さらに作家が従来型モデルをオプションとして選択できるようにした(→リリース)。これによって「作家からの搾取」「虚栄出版」という非難を回避することを意図したものだが、おそらくは最もやりたくなかったことだ。作家がどう反応するかは現時点で不明だが、巨大出版社を動かしたSFWAの力は相当なものがある。(図はHydraを退治するヘラクレス)。[続きを読む]

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