Vol.3, No.50, 29/08/2013

2013年8月29日 通巻154号|♥=会員向け記事(有料)|ログイン

ANALYSIS & COLUMN

E-Book価格とマーケティング:Nookの教訓(♥)

sale4米国における大出版社の「定価カルテル」の終焉と「卸販売制」への回帰の結果がどうなるかについて、これまではもっぱら、出版社の“$9.99問題”として検討されてきた。つまり、新刊E-Bookが安い価格で販売されることによって、紙が売れなくなることだけが注目されていたわけである。本誌はこの「カニバリ幻想」を一貫して批判してきたのだが、減ったのはハードカバーではなく、Nookのシェアだったという事実をどう考えたらよいだろうか。


「定価販売」の終焉がNookを潰した!?

bitten-apple米国市場でアマゾンに次ぐ座にあったB&Nの急速な没落の直接的原因については、デバイスの失敗という以外に説明らしいものがなく、気になっていた。Digital Book Worldのグリーンフィールド編集長は、8月22日の記事で「エージェンシー価格の終焉こそ Nookの死の主因ではないか」という仮説を提起している。昨年秋に始まった「定価」の崩壊と Nookのシェア低下、赤字の急増は、時期的に正確に一致する。果たして…。

NEWS & COMMENTS

アマゾン対抗へKoboがデバイスで先手

Kobo_AuraKoboは8月27日、秋冬のハイシーズンを前に6.7型E-Reader (Aura) と7型/10型タブレット Arc の新製品をそれぞれニューヨークで発表。同時に子供向け書店の立上げとWebアグリゲーターの Pocketとの提携を明らかにした。「読書を生活の中心に置いている人々」を獲得するための戦いにおいてKobo の武器となるものというタンブリン副社長のコメントには、Nookの凋落の間隙に乗じてシェア獲得を狙う姿勢が見て取れる。


小売データ基盤をニールセン社に一元化

Nielsen_logo 出版ビジネスのグローバル化は、国境を越えたマーケットデータ基盤の拡張を伴う。ニールセン社は、R.R.バウカーから2つの部門を買収することで合意したと発表した。これで同社は米国と英国におけるE-Book販売に関する多角的データ収集の能力を得たことになるが、同時に英語圏の紙とデジタルのデータ基盤は、書店向け(ニールセン)と出版社向け(バウカー)にそれぞれ分かれることになった。


アップル裁判の真の争点はIAPルール *情報追加

senator_john_sherman「アップル裁判」は反トラスト法上の「矯正命令」をめぐる駆け引きがギリギリの攻防を見せている。司法省は地裁判事の指示に基づき、先週末に合意書の改訂案を発表した。前回提案よりは緩和しながらも、なおApp Storeのコンテンツ販売方法全体の大幅変更を求める姿勢を明確にしている。アップル弁護団はDoJがアマゾンの味方をしていると非難。ここでアマゾンという「第三者」の存在がクローズアップされてきた。

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