販売と貸出の歴史:著者と読者が出会う時 (♥)

江戸時代は出版/読書文化が繁栄した時代で、質的にはもちろん、展観会などを見る限り、多様性という点でも「不足感」は感じられないほど充実している。しかし、発行部数を見る限り、幕末に爆発的に増加したものの、そう多くはない。150年前の日本は国際的に比較しても平均的に読解能力は高かった言われるが、本はどこでどう流通したのか。[全文=♥会員] … [Read more...]

「サブスク」離陸成功の意味:(2)「貸本」復活 (♥)

「サブスク」は、アマゾンのフラクタル(相似形)なビジネスモデルの深いところにあり、「プライム」から各種のコンテンツの"Unlimited"サービスに広がる。しかし、いまScribdという、普通サイズのブックビジネスが100万人という大台に達した意味は大きい。出版社も、いや書店も、「読者」を「顧客=会員」にしたいと考えている人は考えていただきたい。 [全文=♥会員] … [Read more...]

橋口和本論を読む:(2)「本屋」から出版へ

ものごとの初めと終わりは、その本質を知るうえで重要だ。「和本」の世界は、著者と読者と本を様々な形でつなぐ「本」屋で成立っていた。社会の言語活動の要としての「本」が必要とする専門性と一貫性、持続性は、本屋の開放性によって保障された。『江戸の本屋』はそのことを教えてくれる。活字は130年あまり前に和本を駆逐したが、それもやがて終焉を迎える。 … [Read more...]

橋口・和本論を読む:(1)本・出版・読者という「関係」

「鶏と卵とどちらが先か」ではないが、「本屋と本とはどちらが先か」という話はどうだろう。本とは何か、の答に直結する疑問に、筆者は橋口侯之介さんの『江戸の古本屋: 近世書肆のしごと』がどう答えてくれるかに関心があった。近世日本書籍・出版史とも言うべき本書は、本からではなく、歴史的に存在した「本屋」の仕事から丹念に考察し、「本屋は基本的に古本屋」である、と結論している(風月庄左衛門の『日暦』)。 … [Read more...]

「過去」が失われつつある現実 (2)♥

米国社会では、2000年代後半以降、目立った社会の変化が始まった。それは個々の産業や活動でではなく、産業・社会活動を動かす知識とコミュニケーションに関わるものだったために、変化は連続し、加速し、限度を知らないものとなった。紙の本の精妙なエコシステムは狂い始めて有効性を失った。[全文=♥会員] … [Read more...]

「出版」はいかにして復興するか:ロシア (♥)

ロシアでは、大規模書店チェーン(ネットワーク)の合併で、流通主導の市場拡大が進行している。これまではオンラインが成長の鍵を握るという見方が強かったが、これまでインフラの整備が遅れていた書店=印刷本市場が成長機会を与えられたことが理由のようだ。伝統的な「読書大国」の成長は、ビジネスを超えた本の力を示している。 … [Read more...]

出版ブロックチェーンの可能性 (♥)

米国の出版シンクタンク BISGは11月8日、「ブロックチェーン技術の出版への適用」と題するパネル・ディスカッションをニューヨークで開催した。定義にも、応用にも但し書きが付く、「重い」テーマだ。スタートとしては、とても分かりやすい問題提起なので、紹介しておきたい。[全文=♥会員] … [Read more...]

出版市場とデータの歴史 (1):Webの霧

出版における「版元・取次・書店」の安定した関係は、歴史的に最も強固なものだった。これは出版業が発達した国に共通する世界的なもので、産業革命以前には成立していて、木版印刷の江戸期日本においてそうだったように、活字印刷以前にさかのぼる。この「鉄の三角形」が出版活動の全体を意味しなくなる時である。 … [Read more...]

出版市場とデータの歴史 (2):闇から光明へ(♥)

何によらず、正体が分からないものはまず疑う。これは健全なことだ。まして「出版」という社会の共有環境に関してはそうだ。しかし、旧いものが信じるに足らず、すべて自分で見極めなければならない時もある。Webで物理的世界の常識が通用しないいまのメディアはそうだ。Web25年で起きたことを振り返ってみよう。[全文=♥会員] … [Read more...]

データ・ガイ=ポール・アバッシ氏の功績 (♥)

BookStatのCEOとしてDBW 2018でイベント・デビューした「データ・ガイ」の実名と経歴が初めて明らかになった (Digital Reader, 10/25/2018) 。ポール・アバッシ氏は、ゲーム市場のデータ・サイエンティストとして10年ほどの経験を通じて、出版に匹敵する規模を有する業界のアナリティクス・インフラを構築した実績を持つ。彼が出版に参画したことで21世紀の出版市場が解明された。 … [Read more...]

データ・ガイ=BookStatの始動 (2):デジタルの真実 (♥)

市場の転換期にデータが現実を反映しなくなることはめずらしくない。重要なことは、過去に遡って誤りを正し、一貫性を再構築することだ。ビデオゲーム業界は昨年、過去6年に遡ったデータの訂正を行った。出版も、事実とそうなった理由が共有されたならば、同じ措置が取られるだろう。無益なデータを受容れる余地はないからだ。 [全文=♥会員] … [Read more...]

データ・ガイ=BookStatの始動 (1):視界不良

唐突な観もあるDBW 2018のハイライトは、間違いなく2015年以来、出版界に衝撃を与えてきたデータ・ガイの基調講演「BookStat:出版産業のためのオンライン販売データの再起動」だった。ここで彼は、Kindle以後の10年でなぜ米国の出版ビジネスが確かな視界を喪ったのか、いかにして取り戻せたか、そこで見えてきた驚くべき現実とは何かを完璧に、説得力ある形で描き出した(写真は2015年のDBW初登場時)。 … [Read more...]

「出版社とデジタル」から「新しい出版」へ (♥)

南部にフランチャイズを移したDBWは、ニューヨークの出版界の「デジタルへの険しい道」を辿った末に遭難した過去と決別した。あたらしいオーナーが目ざすのは「新しい出版」である。ポイントは「声とAIをインタフェースとする」「アマゾンをリーダーとする」ということであるようだ。デジタルに関する限り「アメリカはアメリカらしく」がうまくいくと思う。[全文=♥会員] … [Read more...]

「リアル・アマゾン」堂々完成 (♥)

“Amazon 4-Star” は、これまで「地道で慎重な実験」を繰り返したアマゾンが、初めて(失敗の許されない)トレンディ・スポットで自信を持って開店した店舗ということになる。この会社は失敗が少ないことで定評があるが、4-Starはこれまでの「アマゾンショップ」群の集大成でさらに奥があると感じさせる。[全文=♥会員] … [Read more...]

Kindle以後ノート(18):PoDの「デマンド」

アマゾンの「KDP Print」のサービスが(日本を除く)数ヵ国で開始され、この会社が一貫して目指してきた出版サプライチェーンのイノベーションが完成に近づいてきた。しかし、PoDの歴史は意外と長く、内容は千差万別だが、KDP Printはそれらと大きく異なる。重要なのはPoDにおける「デマンド」と実現されるビジネスモデルだ。 … [Read more...]

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