デジタル化と「メディア格差」(♥)

インターネットが普及した21世紀以降の読書習慣の変化については、もっぱら「紙 vs. E-Book」という二項対比の数字が使われてきた。「紙の健闘」や「デジタル疲れ」といった表現が新聞などで伝えられていたが、実態は在来出版(出版社、書店)の衰退と市場の移行である。しかし、この変化で活字情報の「弱者」は出版市場から離れつつある。[全文=♥会員] … [Read more...]

米国SF市場に見る著者の選択(♥)

SFWAカンファレンスでのデータ・ガイの講演は、米国のSF出版がデジタルに移行し、在来出版での比重を落としながらも着実に成長していることを年間合計数字として示した。しかし、著者の生活はどうなったか。一人一人についてみると、出版社任せから自立へと、著者にとっての「ビジネスモデル」が10年でほぼ一変したことが分かる。[全文=♥会員] … [Read more...]

AmazonBooksの店舗デザインの秘密

アマゾンの実書店ビジネス AmazonBooks は、顧客の「買い物体験」にフォーカスしてデザインされているが、それはスペースの経済性を犠牲にした大胆な陳列法が特徴で効果を上げている。これはデータ指向とキュレーションによって最適化した結果だ。現実の仮想化/仮想の現実(仮装)化を切替える手法をニューヨークの若いジャーナリストが分析している。 … [Read more...]

読書空間と出版市場 (2) (♥)最小出版単位

著者と読者の心理的距離はかつてなく接近した。これこそ新時代を迎える前提をなすものと筆者は考えている。著者の生活が成立ち、出版で損をせず、ヒットを出す可能性は高まっている。しかし、現在の市場は過去の遺産(負債)を背負っており、変わりそうで変らない。Singlesというモデルは、著者/読者による「ソーシャル」の形成をみたアマゾンの答だ。(全文=♥読者) … [Read more...]

「世界最大の書店」はなぜ消えるのか: (2)書店というメディア (♥)

販売可能期間の長さでは、生鮮品とは逆の性質を持つ「本」という商品を扱うだけで書店が店舗を維持してきたのは、さまざまな要因で市場の閉鎖性が保たれていたからである。ネットによって商品の「特殊性」が次第に希薄化され、剥奪される時代に、書店の「特殊性」は「個性」以外に求めることは不可能だろう。物理的なフォーマットの価値は、E-Bookが主流の時代にこそ、訴求できると筆者は考えている。[本文=♥会員] … [Read more...]

書店の個性とは何か(2):ダイナミズム ♥

「あれと同じものを」と指さして注文すれば万国共通どこでも通じるので、この表現は買い物外国語の文例で必ず載っている。逆に「どれとも違うもの」という注文は、「私に相応しいものを」と同様どこでも通じにくいだろう。個性というのは難しい。これを理解し、人に理解させるのはよほどの知識とロジックを持たなければならない。ウォーターストーンズ(WS)とアマゾンは、違う出発点から同じ課題に挑戦した。 … [Read more...]

書店の個性とは何か(1):B2Bという限界 ♥

ジェームズ・ドーント氏は間違いなく個性的で興味深い人物で、ロンドンの6つのドーント書店は、本好きならどれも一度は行ってみたくなる。しかし3桁もあるウォーターストーンズ (WS)の個々の店舗となると、別の次元の精密な設計とオペレーションが必要だ。地域の顧客・消費者の「個性や傾向」を反映したものということなるが、どうやってそれを実現するのだろうか。(全文=♥会員) … [Read more...]

Smashwords:熱狂と挫折の10年 (前)

アマゾンと協力し、また対抗しながらインディーズ出版の歴史をつくってきたSmashwordsのマーク・コーカー氏が、歴史を振り返りつつ、アマゾンKindle/KUのもとに吸収された観のある自主出版が独立性を回復するための構想を語っている。前半は「裏切られた革命」。後半はもちろん完結してはいないが、気を取り直して再開したことは素晴らしい。 … [Read more...]

もう一つのデジタル革命 (1):表舞台に立つオーディオブック

米国の公共ラジオ(NPR)とEdison Research (ER)は、音声応答サービスを利用したオーディオメディア・サービスである「スマートオーディオ」に関する全米調査を実施し、レポートを発表した。普及の最初期の段階でこのメディアの性格と可能性を十分に示した点で意義がある。オーディオブックにとっては新しい跳躍台となることを確信させるものだ。 … [Read more...]

書店再生の契機 (2):時計と印刷本 ♥

「独立系書店」というのはなかなか微妙な存在だ。イメージはあるが定義はあいまい。例えば、出版物が売上の半分を超え、資本的に自立し、経営規模が10店舗以下なら当てはまりそうだが、米国ABA会員にはここからも外れる小売チェーンが少なくない。つまり「独立」「書店」にはかなり幅があり、年代や地域によってイメージが異なるのである。「復活」したのが一体どんなものなのかを確認しなくては議論のしようがない。[全文=♥会員] … [Read more...]

書店再生の契機 (1):3つのC

米国で「独立系書店の復活」が注目を浴びるようになったのは2012年頃と記憶しているが、こういう話題は語られるコンテクストによってイジられやすく、誤解を誘因して都市伝説化するので、真面目に考えたい場合には、各種コンテクストの中に生きている各種「専門家」を超えて学者の仕事を検討するしかない。 … [Read more...]

デジタル印刷のビジネスモデル(1):PoD 2.0?

この10年、出版界はもっぱら「紙かデジタルか」について考えてきたが、コンテクスト(5W1H)によって答が異なる問題に二者択一を求めるのは、むしろ現実回避の愚問だったというしかない。いま印刷の側の技術革新が進行し、すべての出版の当事者にとって具体的・現実的な選択が見えてきた。次はビジネスモデルだ。 … [Read more...]

ランダムハウスからアマゾンへ (1):Kindle

Publishing Perspective (11/19)は、Kindleコンテンツ担当のデイヴィッド・ナガー副社長(VP)とのインタビューを掲載し、10周年を回顧した。世界最大の出版社からアマゾンに参加した彼が、Kindleの成果をどのようにみているかはとても興味深いが、顧客体験 (CX)とコンテンツ中心主義を最も重要な成功要因と見ている。 … [Read more...]

Echoを理解するための3つの鍵 (1)Echoへの道

アマゾンEchoが日本でもリリースされ、Alexaの日本語サービスが開始された。これはメディア/コンテンツ・ビジネスのためのインタフェースでもあり、長期的に大きな影響を及ぼすことになるのだが、「AI/スピーカー」といった紹介が多く、Kindleの場合と同様その意味が認識されるには時間がかかりそうだ。そこでアマゾンの戦略をおさらいして、メディアビジネスとしての機会を考えてみたい。 … [Read more...]

アマゾン書店とハイブリッド戦略 (♥)

周知のように、アマゾンの小売帝国は本の通販から始まった。B&Mが書籍だけのものではないとすれば、Amazon Booksは、地域小規模小売店舗のモデルである可能性は強い。つまり食料品+生活雑貨、衣料品+フットウェア、家具+DIY、といった組合せのものだ。地域の雇用に貢献するので、政治的にも歓迎される。[全文=♥会員] … [Read more...]