Kindle 以後10年:(1)背景

2007年11月19日、アマゾンは最初のKindleを399ドルで発売した。予定台数は5時間半で完売し、翌年4月まで在庫切れの状態が続いた。とはいえ、同年1月9日に発表され、9月16日の発売を待たずに一大センセーションとなっていたiPhoneと比べれば話題性は小さくさほど注目もされていない。 … [Read more...]

タブレットとE-Readerの明暗

iPad登場時 (2010)に喧伝された話題は「PC vs. タブレット」とともに「E-Reader vs. タブレット」だった。PCもKindleも過去のものという話だったが、どちらもマッチ・メイキングとしては消えてしまった。PCはもちろんだが、Kindleも実用レベルで読書というニッチな用途で定着し、アマゾンにとってもユーザーにとっても役に立っている。 … [Read more...]

自主出版のISBN登録が緩やかに拡大

米国のISBN発行機関であるバウカー社は、ISBNに登録された印刷本とE-Bookの自主出版物の発行状況(2011-16年)に関するレポートを発表した。2016年の出版点数は、印刷本が前年比11%増(2015年は34%増)、E-Bookが3%減(2015年は11%減)となっている。同社はこれらの数字が自主出版市場の成熟を示すものと考えている。 … [Read more...]

アマゾンKDP「ページ詐取」退治に成功か

アマゾンは、9月分のKindle Unlimited Global Fund (KU-GF)が1,950万ドル、米国でのページ当たり印税単価 (KEN-PC)が$0.0044253になったと発表した。KENPC v3.0を導入した8月以来、2ヵ月連続の上昇。これが「ページ詐取とのたたかい」に勝利したことを示すどうかは即断できないが、7月に記録した低水準 ($0.00403)は脱したものとみられる。 … [Read more...]

FBF 2017と「政治」化する出版

フランクフルト・ブックフェアが開幕し、ゲスト国フランスのマクロン大統領を選挙を終えたメルケル首相が迎え、独仏両首脳が表現の自由と本の価値を共有する「欧州の文化的団結」を訴える政治色の強い開幕となった。基調講演ではペンギン・ランダムハウス(PRH)のマルクス・ドーレCEOが、市場の「安定」をいつになく強調したが、これも動揺を隠す政治的表現と言える。 … [Read more...]

アマゾンKindle Oasisにオーディオと防水機能

年末に向けたアマゾンKindle Oasisの最新モデルが発表された。300ppi・7型防水仕様で価格は249ドル国内価格 3万3980円~、今月末にリリースされる。同社はKindleについては、偶数年に大幅改造、奇数年に小幅改訂する方針を5年前から継続しており。今年は「新製品」は期待できないと見られていた。10周年に当たる今年も記念モデルなどを出さないところがこの会社らしい。 … [Read more...]

クラウドファンディング出版の可能性:(2)LGBT ♥

英国の編集者でジャーナリストのマット・ケイン氏が書いたLGBT恋愛小説 'The Madonna of Bolton' は、男子がマイケル・ジャクソン、女子がダイアナ妃に憧れた時代、故郷のボルトンでマドンナに恋した9歳の主人公チャーリー・マシューズの人生をユーモラスに描いたもの。英国のクラウドファンディング出版サイト Unboundで資金調達に成功した。[全文=♥会員] … [Read more...]

クラウドファンディング出版の可能性:(1)公共性

出版資金の調達のためにKickstarter のようなクラウドソースを利用するのは、日本でもかなり広がりそうだが、人気作家の中村うさぎ氏が社会的キャンペーンの性格を持つ2冊のムックの出版プロジェクトをポット出版プラスとともに進めている。英国ではLGBTの著者が、多くの出版社から30回以上も「ゲイすぎ」として却下された原稿を自主出版する。 … [Read more...]

BBCが対話型オーディオブック発売へ (♥)

英国BBCは、Rosina Soundというオーディオ・プロダクションと提携し、アマゾンAlexaなどスマートスピーカをターゲットとした対話型ゲームブックを開発している。もともとは1970年代に開発され、冒険シリーズなどペーパーバックでヒットした形式を、対話型ラジオドラマとして復活させたもので、新しいジャンルとして期待されている。[全文=♥会員] … [Read more...]

カニバリズム論との決別 (1)アマゾン

在来出版社は、デジタルの成長を抑制しようと望み、それ自身の売上を抑えることには成功し、2年以上にわたって、E-Book市場はほぼ直線的な下落を続けたのだが、その実相が明らかになったいま、自滅的な方針の背景にあったカニバリズム論の決別が重要であると考える。この亡霊にとり憑かれたままでは、出版は大きなものを失うからだ。 … [Read more...]

カニバリズム論との決別 (2)新しい価値へ

アマゾンが既存の出版エコシステムのトラップにかからず、E-Bookでほとんど唯一の成功をなしとげたのは、独自に出版のサイクルを構築したからで、市場を読むことができれば不敗というデータ駆動マーケティングの賜物といえよう。このことはまた、これまでP/Dのカニバリズムがほとんど作用しなかったことの説明にもなる。[全文=♥会員] … [Read more...]

米国出版業界がいま知る「失われた5年」

米国出版社協会(AAP)は9月28日、会員1,200社の5月の販売統計を発表し、E-Bookの売上が2年以上ぶりに前年比でプラスとなったことを明らかにした。2.4%とごくわずかなものだが、AAPの発表はハードカバー(+6.7%)ではなく、これをリリースの見出しとした。E-Bookの数字が再び注目されるようになったことを示している。これはただごとではない。 … [Read more...]

在来出版は印刷本デフレを生残れるか (♥)

米国出版界において市場の停滞(実際には縮小と崩落)に対する危機感が広がったことは、デジタル転換における次のラウンドが認識されたことを意味する。過去5年間の対応は誤りであり、出版社はE-Bookを敵視したことで多くを失ってきた。ようやく「デジタル」の本質が分かってきたのは結構だが、時間はもう無駄にできないことを認識しなければならない。[全文=♥会員] … [Read more...]

デジタルの脅威は「外」からだった

出版界は、これまでデジタルを内なる脅威とみて嫌悪してきた。それが近視眼であることを本誌は主張してきたのだが、米国ではようやくそれが外からのものであることが認識されてきたようだ。Publishers Weeklyが出版人を対象に行った調査では、24%が「他のメディア」との競争が火急の問題であると回答した。 … [Read more...]

B&N Nookはどこで間違ったのか (♥)

Kindleとほぼ同じビジネスモデルで出発し、2010年時点では並ぶ存在だったNookの敗北は、歴史的な意味を持っている。デジタルはもともと「勝者総取り」という性質が強いが、世界最大の書店が新興のオンライン書店とE-Bookで対決して完敗し、本業も危機に瀕している。その理由を吟味することは、今後5年間に起こることを知る上で重要だ。[全文=♥会員] … [Read more...]