CrimeFest 2018 と読書の「公共空間」

犯罪/推理小説の「母国」とも言える英国西部の港町ブリストルで、5月17日からの4日間、その名もCrimeFest 2018 国際犯罪小説会議 (International Crime Fiction Convention) が開催され、作家からファンまで集めて盛況裡に行われた。読書空間を支えるオーディエンスという存在を考えるよい機会だ。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(7):最後の次の真実

本 (出版)が儲からない理由は、昔から関係者が頭を悩ませてきたことだが、理由があまりに多すぎて、これまで共通の課題として考えられてこなかったように思う。最近、アマゾンという「不思議な本屋」が現れて、常識を超えた方法(『Kindleの十大発明』で書いた)で楼閣を築いてビジネスのやり方を変えつつある。アマゾンが何を見つけたのかを考えてみよう。 … [Read more...]

大物女優がAudibleと提携事業 (♥)

米国の女優兼製作者のリース・ウィザースプーン (42)が、Audibleと提携して、オーディオブック・シリーズを制作すると発表した。自身が主宰する Reese' s Book Club (RBC)の推薦本を短期のシリーズでオーディオ化していくもので、米国女性に多大な影響力を持つリースとの独占契約に発展するかどうかが注目されている。[全文=♥会員] … [Read more...]

停滞する活字と拡大する音声出版

米国のオーディオブック市場は昨年も30%近い成長を継続し、停滞する出版ビジネスの唯一の成長分野としての地位を確定させているが、大手出版社の1Q業績に占める比重も大きくなってきた。あらゆる数字は活字出版の圧倒的優勢が過去のものとなりつつあることを示しているが、出版社はまだこの構造的変化に対応しきれていない。 … [Read more...]

北欧に欧州最大のオーディオ・ストア

ヨーロッパの大陸圏で最大のオーディオブック・サービス Storytel(瑞典) は、同じく2013年創業で定額制サービスの Mofibo (丁抹)を1,330万ドルで買収した。前者はストックホルム、後者はコペンハーゲンでともに北欧や東欧を市場として急成長している。音声言語の分布は文字言語よりさらに複雑だが市場の多様性に対応した体制ができることが期待される。 … [Read more...]

EPUB3 標準DRM実装ソリューション(♥)

E-Readerを含むソリューションを提供するフランスのスタートアップ Teaが、EPUB 3のDRM標準を利用してビジネスを拡大している。このプロジェクトは CARE (Content & Author Rights Environment)と呼ばれ、標準DRMをサポートする。また来年にはこれを実装した Webreaderの発売を予定。標準がビジネス/サービスの可能性をつくる良い例と言えるだろう。[全文=♥会員] … [Read more...]

Kindle以後ノート(3): 王様のいない世界

「版」中心の出版は、モノとしての本の「独立性」「完全性」「経済性」を実現して産業革命や通信革命を乗り越えて600年を経過している。しかし、世紀末に登場したインターネットは、それまで出版ビジネスを助けてきたテクノロジーとは違った作用を及ぼし、出版社は不意を突かれた。「版」の3つの価値は同時に相対化され、印刷本という贅沢なフォーマットを維持することが困難になった。 … [Read more...]

衰退のまま放置される「在来出版」

在来出版ビジネスの衰退が続いている。米国出版協会(AAP)が5月9日に発表した約1,200社の数字  (StatShot) によると、2017年の成長は前年比5億ドル(0.4%)増の147億ドル。マイナス10%に近づいた日本ほどではないにしても、成長が求められている産業としては実質マイナスだろう。例外はまたもA-Book (3億4,300万ドル)で成長率は29.5%。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(2): 本の価値

アマゾンは「版」を不動の基礎にした出版からの決別を宣言しつつ、旧出版の崩壊を嫌った。それは出版の至上の価値である歴史的継続性を損ない、出版の体験を浅いものにするからだろう。Googleの「スキャン」は革命的なアイデアだったが、あれはどうみても「破壊的」に過ぎた。アマゾンは本と出版に3つの価値を見ていると思われる。 … [Read more...]

アマゾン戦略は「中国」で通用するか (♥)

中国アマゾンは4月17日、同国のプライム会員を対象としたPrime Reading を開始すると発表した。500点以上のタイトルを読み放題とするもので、ベストセラーが数点と一部の人気雑誌が含まれている。これは「本」を基点とするアマゾン本来の戦略を、機会もリスクも世界最大である市場で本格的に起動することを意味する。 … [Read more...]

漂流する「データ」は何を語る?

NPD社は、2017年の PubTrack Digital (PTD)のデータを発表し、米国の出版社によるE-Bookの売上が前年の14%に続いて10%ダウンしたことを伝えた。これは大手5社を含む450社のみをカバーしたもので、AAP加盟の1.300社と比べても少ない。NPDのサービスはNielsenから継承したものだが、市場の捕捉率は半分を切っていると思われる。 … [Read more...]

アップルPages で子供が拡張E-Book製作

アップルがOfficeに対応するiWorkシリーズのワープロ「Pages」を進化させている。スジはよく、EPUBをサポートするということで、iBooks Authorとの関係が気になるが、こちらは基本的にモバイル・ワープロということで、教育などグループ環境でのテンプレートの使用を想定しているようだ。いずれにせよ、出版にプロ用ツールが必要だった時代が遠くなるかもしれない。 … [Read more...]

「ヘイト」か「出版」か

今日の出版界が直面する世界的問題の一つに「ヘイト本」や「フェイク本」の問題がある。これは出版につきまとう問題で、それ自体はデジタルとは関係がないが、出版の環境が変わった現代には別の対処が求められる。英国の反レイシズム団体、Hope not Hate は、ホロコースト否定本を販売する書店のリストを公表し、撤回をもとめる運動を始めた。 … [Read more...]

A-Book自主出版のネットワークが拡大

自主出版支援サービスのSmashwordsは、オーディオブック配信プラットフォームのFindawayと提携してA-Bookの制作支援を始める。AudibleのACXに対抗するFindaway Voicesを使うもので、同じような動きとしては Draft2Digital が昨年に契約している。非アマゾン系のA-Book環境がFindawayを中心に形成されてきた。 … [Read more...]

「E-Bookはくだらない商品」?(♥)

アシェット・グループの親会社ラガルデール出版のアルノー・ヌーリCEOが、Kindle以後10年を振り返った最近のインタビューで「E-Bookはくだらない商品」と発言してひんしゅくを買っている。出版者としてあり得ないこの発言には、デジタルへの抜きがたい嫌悪感があるが、ではなぜ止められないのだろうか。[全文=♥会員] … [Read more...]