CrimeFest 2018 と読書の「公共空間」

犯罪/推理小説の「母国」とも言える英国西部の港町ブリストルで、5月17日からの4日間、その名もCrimeFest 2018 国際犯罪小説会議 (International Crime Fiction Convention) が開催され、作家からファンまで集めて盛況裡に行われた。読書空間を支えるオーディエンスという存在を考えるよい機会だ。 … [Read more...]

ドイツ攻略でKoboが躍進

楽天は、2017年のKoboの全世界売上げが前年比で60%増加したことを明らかにした。これは昨年、ドイツのTolinoを買収したことによる。それを除いた売上増がどの程度かは明らかでないが、堅実な増加を示している。成長分野のオーディオブックを加え、定額制の Kobo Plusを開始したことで、「ナンバー3」の座は固めたと思われる。 … [Read more...]

Googleが本の探索に自然言語技術 (♥)

Google Researchは4月13日、自然言語研究の成果の公開デモとして、本に話しかけられる 'Talk to Books' 機能とテトリス型語彙連想ゲーム 'Semantris' の2つを公開した。前者は「本を探す新しいやり方」として提案されたもの。伝統的なタグではなく「文章による探索」が実用化すれば、読書を必要とする人々に大きな影響を与える可能性がある。[全文=♥会員] … [Read more...]

アマゾン・プライム会員が1億人突破

アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、株主への手紙の中で全世界のプライム会員が1億人に達したことを明らかにした。これは会員数に関する最初の公式発表となる。2017年の出荷は50億品目、例によって米国でも米国外でも新規会員は前年を上回ったとされる。会員の平均消費金額は非会員の2倍弱と推定されおり、デジタルメディアを有力な手段とする戦略はさらに積極化するだろう。 … [Read more...]

AmazonBooksの店舗デザインの秘密

アマゾンの実書店ビジネス AmazonBooks は、顧客の「買い物体験」にフォーカスしてデザインされているが、それはスペースの経済性を犠牲にした大胆な陳列法が特徴で効果を上げている。これはデータ指向とキュレーションによって最適化した結果だ。現実の仮想化/仮想の現実(仮装)化を切替える手法をニューヨークの若いジャーナリストが分析している。 … [Read more...]

消費者から顧客へ

楽天が出版取次3位の「大阪屋栗田」を子会社化することが新聞で報じられた。「ネットとリアルの融合」をキャッチフレーズにしているが、合わせたところで融合するものではなく、そもそも書店の「顧客」などは融通できるものではない。「顧客」は軽い言葉ではないのだ。それを可能とするビジネスモデルはあるのだろうか。いやあり得るのだろうか。 … [Read more...]

ノン・フィクションに ‘Great on Kindle’ プログラム(♥)

アマゾンが2月にGreat on Kindle というノン・フィクション専門のE-Book出版プログラム(ベータ)を立ち上げていたことが伝えられた。当面は1点単位の依頼のみで行われているが、「品質重視」「版権料50%」という以外にも読者へのサポート機能が予定されている。フィクションが先行していたKindle本のバランスを取るためのイニシアティブのようだ。[全文=♥会員] … [Read more...]

「ヘイト」か「出版」か

今日の出版界が直面する世界的問題の一つに「ヘイト本」や「フェイク本」の問題がある。これは出版につきまとう問題で、それ自体はデジタルとは関係がないが、出版の環境が変わった現代には別の対処が求められる。英国の反レイシズム団体、Hope not Hate は、ホロコースト否定本を販売する書店のリストを公表し、撤回をもとめる運動を始めた。 … [Read more...]

OverDriveが図書館貸出10億冊を達成 (♥)

OverDriveは3月20日、2003年以来のE-Book貸出総数が10億冊に達したことを発表した。2007年に100万冊、2012年に1億冊を経ての大台達成で、ほぼ5年で10倍というペースが守られていることは高く評価される。2022年に100億冊は可能だろうか。それはなお様々な障壁を残している大手出版社の協力に懸っていると思われる。[全文=♥会員] … [Read more...]

Amazon Books 大量出店の可能性 (♥)

アマゾンは3月13日、首都ワシントンのジョージタウンの一角に米国で15店目となる Amazon Booksをオープンした。一連のシリーズの中では大き目の1万平方フィート(≒281坪)に、ガジェットや玩具用の展示テーブル、小さなコーヒーショップと書籍が5,600点。The Digital Readerのネイト・ホフェルダー氏は、「素っ気ない」ながらも「使える」点に驚いている。[全文=♥会員] … [Read more...]

E-Bookはどこから普及するか

米国のメディア研究機関ピュー・リサーチ・センター(PRC)は3月8日、フォーマット別読書行動調査の結果を2年ぶりに発表した。1年以内に本を読んだことがある人(読書率)は74%で、16年調査(73%)とほぼ同水準。P-Bookは67%(+2)、E-Bookが26%(-2)、A-Bookが18%(+4)となっている。活字読書率が停滞しているなかで、A-Bookが2割に近づいたことが注目される。 … [Read more...]

NYTがオーディオブック・ベストセラー発表

活字本全米のベストセラーを発表しているニューヨーク・タイムズ紙が、今週木曜からオーディオブックの月間リストを発表する。フィクション/ノン・フィクションの各15位までが前月の売上をもとにランクされるという。「信頼できる複数の独立したデータ・ソースに基づく」としか述べていないが、市場は歓迎するだろう。 … [Read more...]

B&Nの「時間との戦い」

B&Nが四半期決算 (3Q)の発表に続いて「長期戦略プラン」を発表した。昨年就任したデモス・パーネロスCEOは「顧客満足の向上と長期的な利益率の向上の実現」を表明している。同時に5月からスタートする新年度に5つのプロトタイプ店舗を開店する計画を明らかにして挽回への意欲を見せた。問題は(彼が言うように)どれほどの時間が与えられるかのようだ。 … [Read more...]

「世界最大の書店」はなぜ消えるのか: (1)本という商品

世界最大の書店、Barnes & Noble (B&N)の大量解雇の波紋が広がっている。有効で戦略なき「選択と集中」は清算プロセス、ということは常識だが、やはりB&Nともなると意味は大きい。一つの業態が寿命を迎えたことを意味するからだ。出版社は大型書店が激減することを想定して行動しなければならないだろう。それはチャネルに与える以上の問題だ。 … [Read more...]

書店の個性とは何か(2):ダイナミズム ♥

「あれと同じものを」と指さして注文すれば万国共通どこでも通じるので、この表現は買い物外国語の文例で必ず載っている。逆に「どれとも違うもの」という注文は、「私に相応しいものを」と同様どこでも通じにくいだろう。個性というのは難しい。これを理解し、人に理解させるのはよほどの知識とロジックを持たなければならない。ウォーターストーンズ(WS)とアマゾンは、違う出発点から同じ課題に挑戦した。 … [Read more...]