消費者から顧客へ

楽天が出版取次3位の「大阪屋栗田」を子会社化することが新聞で報じられた。「ネットとリアルの融合」をキャッチフレーズにしているが、合わせたところで融合するものではなく、そもそも書店の「顧客」などは融通できるものではない。「顧客」は軽い言葉ではないのだ。それを可能とするビジネスモデルはあるのだろうか。いやあり得るのだろうか。 … [Read more...]

デジタル時代の図書館の価値:公共的読書空間 (♥)

OverDriveの10億冊はデジタル読書における重要なマイルストーンとなるものだ。それにしても大手出版社の非協力によって難航してきた中での成果はけっして容易ではなかった。なぜ協力しないのかといえば、彼らの「市場観」がインターネット以前、印刷本時代の閉鎖的読書空間に形成された錯覚に基づくものであるためだ。[全文=♥会員] … [Read more...]

読書空間と出版市場 (2) (♥)最小出版単位

著者と読者の心理的距離はかつてなく接近した。これこそ新時代を迎える前提をなすものと筆者は考えている。著者の生活が成立ち、出版で損をせず、ヒットを出す可能性は高まっている。しかし、現在の市場は過去の遺産(負債)を背負っており、変わりそうで変らない。Singlesというモデルは、著者/読者による「ソーシャル」の形成をみたアマゾンの答だ。(全文=♥読者) … [Read more...]

読書空間と出版市場 (1) 本が生まれる前 (♥)

アマゾンの Kindle Singlesの「プラットフォーム化」の動きが鮮明になってきた。では今回は何のプラットフォームをどこに構築しようとしているのか。これは制作や流通といったものとは違う次世代のプラットフォームだ。それは本がまだ生まれる前の「原始空間」にフォーカスしている。(全文=♥読者) … [Read more...]

書店の個性とは何か(2):ダイナミズム ♥

「あれと同じものを」と指さして注文すれば万国共通どこでも通じるので、この表現は買い物外国語の文例で必ず載っている。逆に「どれとも違うもの」という注文は、「私に相応しいものを」と同様どこでも通じにくいだろう。個性というのは難しい。これを理解し、人に理解させるのはよほどの知識とロジックを持たなければならない。ウォーターストーンズ(WS)とアマゾンは、違う出発点から同じ課題に挑戦した。 … [Read more...]

書店の個性とは何か(1):B2Bという限界 ♥

ジェームズ・ドーント氏は間違いなく個性的で興味深い人物で、ロンドンの6つのドーント書店は、本好きならどれも一度は行ってみたくなる。しかし3桁もあるウォーターストーンズ (WS)の個々の店舗となると、別の次元の精密な設計とオペレーションが必要だ。地域の顧客・消費者の「個性や傾向」を反映したものということなるが、どうやってそれを実現するのだろうか。(全文=♥会員) … [Read more...]

ウォーターストーンズ起死回生のゴール

英国最大の書店チェーン、ウォーターストーンズが見事な復活劇を演じて注目されている。300に近い店舗を持ち、それまでは規模だけで抜けた存在だったが、構造的な赤字に陥り再起不能と思われていた。しかし、2011年に経営を任せられたジェームズ・ドーント氏のリーダーシップで奇跡の完全復活。英国の出版界を狂喜させた。どんなマジックを使ったのか興味が尽きないところだ。 … [Read more...]

旧出版との和解によるゲームチェンジへ(1) ♥

KSの路線転換は、十分な成果が挙げられなかったからではない。むしろ正反対で、成果をより拡大するためだ。その象徴がジェームス・パタースンらのビッグネームの参加だろう。これまで出版のデジタル化は、読者には(デジタルデバイスでの読書で)支持されているものの、書店で商売をしてきた人々の多くは顔を背けていた。いまや潮目は変わった。[全文=♥会員] … [Read more...]

出版のブレイクスルーとなるSingles(♥)

Kindle Singles (KS)が過去5年あまりで確立(実際には復活)したのは、出版商品としての小冊子フォーマットの価値であった。「価値」は著者・出版社、書店、読者にとって同じではないが、単純に言えば、まず著者と読者に支持され、出版社と書店を兼ねたアマゾンによって推進されることで、「三方一両得」ということになった。[全文=♥会員] … [Read more...]

出版最後のアナログ問題 (1):制作 (♥)

日本ではできなかったが、アマゾンCreatespaceは、Kindleエコシステムにおいて戦略的に重要な部分を受け持っていた。それはデジタル中心のプロセスと市場においても印刷本の提供が持続可能であることを保証するということだ。読者をよく理解していたアマゾンは印刷本の制作システムの現代化に本気で取組んで、ほぼ完成したと思われる。[全文=♥会員] … [Read more...]

「音声+スマート」の新成長戦略 (3)スマート

出版におけるデジタルが「フォーマット」だけに止まらないことは本誌がしつこく言ってきた。とはいえ、そこを越えなければ何も始まらないことも動かし難かった。Kindleの10年は、版に縛られたグーテンベルク以来の出版がもはや規範ではなく、回帰も不可能であることを示した。最初に独立したのはオーディオブックだが、影の主役が「スマート」であったことは見逃せない。 … [Read more...]

Kindleの10年と出版「デジタル転換」

本誌は創刊以来8年間、毎週通算で400号近くを発行している。出版のデジタル転換という、紙の発明、グーテンベルク革命などに匹敵する歴史的事象を読者とともに見聞する機会を得た一人として、同時代史あるいは年代記として書いてきたつもりだ。いまだ「出版」も「デジタル」も会得したとは考えていないが、毎年新しい発見があるのでやめられない。 … [Read more...]

「音声+スマート」の新成長戦略 (1)主役交代

過去10年間、メディアはスマートフォンを中心として回ってきた。E-Bookもモバイル・パラダイムへの対応である。しかしいまEchoのように、ビッグデータ駆動のAIで機能するスマートスピーカが米国市場を席巻しつつある。2018年は「音声とスマート」を推進力とする新しいスタートへの起点となるだろう。21世紀の出版の拠り所は紙でも活字でもない。「言語コンテンツ」である。 … [Read more...]

「音声+スマート」の新成長戦略 (2)音声言語 (♥) 

オーディオブックはスマートフォンによって復活し、スマートスピーカによって飛躍の舞台を与えられたが、そこには必然性も社会的ニーズも十分にある。在来出版社がこの古くて新しいメディアに挑戦するには、この10年が最後の機会になると思われる。音声言語こそ、スマートとともにデジタル出版戦略の中心コンセプトとなるものだ。[全文=♥会員] … [Read more...]

オーディオ・ビッグバンの2017年(♥)

ユーザー人口の拡大と多様化、大型化、そして他メディアとの連携…。2017年のオーディオブック市場は米国を中心に、予想通りのステップを歩み、出版社の予想を超えて巨大市場への道を歩み始めた。デジタルの柔軟性と浸透力が(書店流通に遠慮のいらない環境で)開花したということになる。A-Bookはすでに出版社の版権戦略に影響を与えている。[全文=♥会員] … [Read more...]