Web時代の「本・読者・著者」(5): 新しい関係

Kindleの登場は、出版の歴史をそれ以前と以後に分けるものではないか、と筆者は考えている。それはWeb時代の「本・読者・著者」の新しい関係を提案し、商業的に成功することによって「出版」のビジネスモデルを創造しつつあるからだ。 グーテンベルクは可動活字で「複製」の概念を再発明した。Kindleは小型の専用コンピュータで読む「本」などではなかった。それはグーテンベルクが再発明した近代の「出版」システムを、そっくり、Web上にバーチャル(実効)なものとして再発明したのだ。 … [Read more...]

21世紀は音声出版の時代となる

[EB2Magazineマンスリー4月号] 出版にとって「デジタルの衝撃」が何であったかは、米国でも立ち位置によって、見え方は大きく異なる。しかし、出版市場における最大のサプライズは、誰が見ても「オーディオブック」だろう。これが一つのフォーマットという以上の存在となると考えた人は少ないと思われる。筆者もその一人だ。[全文=♥会員] ※特別公開4/10まで … [Read more...]

Web時代のブックビジネス ─ 本/著者/読者に何が始まったか 目次

Web (World Wide Web)は公共空間となり、ハイパーリンク/参照を普及させ、多様な情報スペースとして人々の生活に定着した。「本」をめぐる環境(デジタルによる記録・再生・更新、販売)が変化する中、最古のメディア・ビジネスである「出版、本/ブック」はどう変わったのか、Web世界とどう関わっているのかを考察する。 … [Read more...]

『Web時代のブックビジネス ー 本/著者/読者に何が始まったか』内容紹介

「Kindle以後10年」第2巻の1である本書は、一種の「歴史編」として計画されたものですが、この歴史は「Webの歴史」以外のものではないということに気がつき、構成を少し変更しました。 第1に、アマゾンがWebと本から生まれたものであったこと、第2にWeb以後の出版は、これまで私たちが知っていると考えていたものとは大きく変わり始めていたからです。どう変わったのか。「著者と読者」という、「お客さん」たちが出版の主役となり、ビジネスを動かす存在となったということです。これは「発見」でした。これが目に入らなければ、何も変わっていないように見えるでしょう。「ポスト・グーテンベルク」と同じように、「 … [Read more...]

Web30年と「本・著者・読者」(1)

この3月12日は、ティム・バーナーズ=リーが1989年、欧州原子核研究機構 (CERN) で「情報管理システムの提案」を提出してから30年となった。これがWebにつながる話は、長いようで短いが、Webは満30歳を迎えたことになる。世に出たのは1995年で、わずかの間に世界がこれほど変わるものか、というのが多くの人の実感だろう。 … [Read more...]

米国「著者出版」の10年と出版ビジネス

自主出版の10年を回顧して、GoodeReader (02/20)のマーシー・ピルキントン編集長が「出版契約の夢は死んだのか?」という興味深い記事を書いているので紹介してみたい。こういうタイトルが、出版コンサルタントとして活動する同氏から浮かぶとすれば軽いことではないだろう。21世紀に出版社とは何か。それはどうもおカネではないようだ。 … [Read more...]

「サブスク」離陸成功の意味:(2)「貸本」復活 (♥)

「サブスク」は、アマゾンのフラクタル(相似形)なビジネスモデルの深いところにあり、「プライム」から各種のコンテンツの"Unlimited"サービスに広がる。しかし、いまScribdという、普通サイズのブックビジネスが100万人という大台に達した意味は大きい。出版社も、いや書店も、「読者」を「顧客=会員」にしたいと考えている人は考えていただきたい。 [全文=♥会員] … [Read more...]

「サブスク」離陸成功の意味:(1)Scribd

Scribdは1月28日、定額読書サービスの会員数が100万人を突破したと発表した。アマゾンに先駆けて2013年に立上げ、Oysterの撤退や、Kindle Unlimitedの独走、「読み放題」(unlimited)をめぐる紆余曲折を経た後の大台到達で、同社とサブスクリプションの持続力は実証されたと思われる。「どんな定額制サービスでも転換点となる数字」と自賛するに足る。 … [Read more...]

出版界から予想が消えた理由 (♥)

2015-6年を境に、米国の出版界は新旧の2つに分裂した、と本誌は考えている。旧世界はデジタルを忘れることで時間を止めようとした。紙と書店の健在がニュースとなり、デジタルで憂鬱な未来予想は出版系メディアから消えていった。その結果、共通の話題としての年末恒例の行事が消えたのだ。[全文=♥会員] … [Read more...]

印刷会社の「アマゾン戦略」(♥)

印刷ビジネスが21世紀にも安泰であることは、疑われていなかった。文字とグラフィックに関わるすべての技術はコントロールしていたはずだった。予想外だったのは、その技術が常識を超えた速度で紙を超え、ケーブルを超えて遍在するメディアとなったことだろう。[全文=♥読者] … [Read more...]

メディア「読書欄」の変容と復活 (1)

米国の主要メディアが競って「読書欄」を拡張している。本の市場が急に活性化したわけではない。それどころか、景気も出版も停滞し、余暇の読書は減少し、フィクションは売れない。暗い気分が広がっているのだが、これはどう考えたらよいのだろうか。コロムビア大学の評論誌CJR (12/03)では、ライターのサム・アイクナー氏が考察している。 … [Read more...]

出版ブロックチェーンの可能性 (♥)

米国の出版シンクタンク BISGは11月8日、「ブロックチェーン技術の出版への適用」と題するパネル・ディスカッションをニューヨークで開催した。定義にも、応用にも但し書きが付く、「重い」テーマだ。スタートとしては、とても分かりやすい問題提起なので、紹介しておきたい。[全文=♥会員] … [Read more...]

「オーディオ」が起動する出版の世界再編

米国の大手出版社の四半期決算が発表され、オーディオブックの成長の勢いは止まるところを知らない。すでに出版社の成長の原動力となっているが、紙あるいは活字と比較されるレベルに届くのも遠くはないだろう。欧州的秩序のもとにあった出版産業の再編がここを起点として始まる可能性は高い。 … [Read more...]

E-Book 2.0 Forum “Version 2″へ向けて (1)

いま出版は、誰が見ても病的な状態にある。出版だけではない。社会が病気で、それはかつての「先進工業国」に共通した現象でもある。現在と将来の「生活」に不安を持ち、それまでに得た「自信」を失い、つまりは「意味=価値」が揺らいでいる。本来、社会を見つめる視点を提供し、病気を治す知恵をもたらす、生きる力を取り戻すはずだが、その医者が病気なのだ。 … [Read more...]

出版とWeb:本誌10年目を迎えて

本誌は9月で満9歳になりました。1985年以来、紙のニューズレターを3種類、通算で10年ほど編集兼発行人をやっていたので、Webでもほぼ並んだことになります。情報技術と出版の転換期に、自分なりの観察と考えを公刊物として残せたことは誇りですが、それは「読者」とともに続けられたことで出版としての価値が生まれるからです。 … [Read more...]

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