アマゾンは「版」を不動の基礎にした出版からの決別を宣言しつつ、旧出版の崩壊を嫌った。それは出版の至上の価値である歴史的継続性を損ない、出版の体験を浅いものにするからだろう。Googleの「スキャン」は革命的なアイデアだっ […]
キーワード解説
コンピュータが本を読む時代 (1)はじめに (♥)
出版の世界でAIが話題となってきたのは昨年あたりからだ。これはITでも一般メディアでも共通しているが、これまで知識と経験と勘が混然一体となった個人的スキルが重視され、多くの個性と雇用を生んできた世界にAIが及んできたこと […]
「分散コンテンツ」とは何か
先週号で、すでに動き始めた「分散コンテンツ」のビジネスと市場についてご紹介したが、じつはこの言葉は、登場以来10年以上も説明困難な状態のままである。なぜかを考えつつ、筆者なりの暫定的な説明をしておきたい。これこそが21世 […]
キーワード解説:クラウドファンディング
一般的な解説はほかに譲って、ここでは「出版」に限定してお話ししたい。というのは、ファンディングへのニーズは普遍的で種々雑多だが、出版におけるニーズには特有のものがあるからだ。本誌はデジタル出版でクラウドソースへの新しいア […]
キーワード:オーディエンス
欧米の出版ビジネスの世界で「オーディエンス」という言葉が頻繁に使われるようになったのは、やはりインターネット時代に入ってからのことだ。これはメディアの変化により、出版と読者を再定義する必要から生じたもので、デジタル時代の […]
出版のサービス化
アマゾンが主導した商業出版のサービス化、つまりデジタル・マーケティングを通じた顧客指向は、出版界全体を覆いつつある。米国の出版社がメタデータに取組んでいるのにも驚くし、日本のKADOKAWAがサービス主体としての姿勢を鮮 […]
エンゲージメント・マーケティング
「人間はみずからつくるところのもの以外の何ものでもない。」(サルトル)エンゲージメント (engagement)という英語は、約束や契約のほかに、用事、仕事、債務など様々な意味を持つが、いずれも能動的(自発的、継続的、意 […]
「打倒アマゾン」「自炊業者撲滅」…
北朝鮮の連発する「無慈悲」「鉄槌」「火の海」といった言葉がTwitterで妙なブームになっているそうだ。「無慈悲な休日出勤による徹底的な残業が行われるだろう」とか、言い換えを競うセンスはなかなかのものだ。他方、出版の世界 […]
ソーシャルリーディング
出版はもともと社会的 (public)な行為なのだから、読み方も社会的にされて不思議はない。実際、本が貴重だった近代以前は「音読、共有」が読書の基本であり、したがって知識空間を共有することが出来ていた。近代以後はもっぱら […]
E-Book再販売あるいは中古コンテンツ
‘used’ といっても、書き込みはもちろん、蔵書印や手垢がついているわけでもない。データが欠けたり増えたりするわけではない。出版社はコンテンツが中古市場に流れて再販売されることを、ある意味では海賊版以上に怖れた。だから […]