Kindle以後ノート(8):出版における第三者

資源の希少性/非対称性は、新聞、放送、出版という伝統的なメディアビジネスの大前提だった。それがインターネットという無限空間に放り出されたことで起きる現象を、われわれは目にしている。ネットでは、見つけることと見つけられることが大きな問題になり、そうしたことから超越していたブランドが一転して苦闘を強いられていることは周知の通り。そしてアマゾンは新しい前提から新しいルールをつくった。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(7):最後の次の真実

本 (出版)が儲からない理由は、昔から関係者が頭を悩ませてきたことだが、理由があまりに多すぎて、これまで共通の課題として考えられてこなかったように思う。最近、アマゾンという「不思議な本屋」が現れて、常識を超えた方法(『Kindleの十大発明』で書いた)で楼閣を築いてビジネスのやり方を変えつつある。アマゾンが何を見つけたのかを考えてみよう。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(6):儲からない本の価値

ヴァーマナは、ヴィシュヌ神の第5の化身だ。神々に敵対するアスラのバリ王のもとに乞食少年として現れ、布施として「3歩分の土地」を求め、約束を得る。宇宙大に巨大化した彼は3歩で天と地と地底を押さえつけ、王を服属させた。さて、本屋として人々の前に現れたベゾスは「顧客第一」を約束し満足を得た。人々は買い物の際には、先にアマゾンのサイトを見ることにした。その後の展開はご存知の通り。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(5):Googleとアマゾン

クラウド/デバイスのプラットフォームを構築し、さらにガジェットを超えたメディアを創造したアップルに対して、アマゾンは「仮想化」という独創的な戦略で対抗することで、ガジェット競争に巻き込まれずに済んだ。しかし、サイバー世界にはまったく別の視点から出版と本に注目していた企業がいた。Googleである。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(4):「仮想化」

『Kindleの十大発明』では、Kindleに大きな影響を与えた存在としてiPodをはじめとするジョブズの大発明について論じた。実際、Kindleを「規定」したものは、iPodのプラットフォームであったと言えよう。アマゾンは、iTunes/iDeviceに「規定」されつつも、まったく独自のアプローチを考えた。読書に必要なデバイスを「ガジェット」化するのではなく「仮想化」したのである。 … [Read more...]

アマゾン・ビジネスモデルの秘密

アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが、2018年のアクセル・シュプリンガー賞を受賞した際のインタビューで、「なぜ本から始めたのか」という質問に答えている。筆者も『Kindleの十大発明』で自分なりに考えてみたので、この問題には関心が深い。それは本の「価値」についての無数の答の中の一つだが、巨大な「時価総額」を実現した答となるからだ。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(3): 王様のいない世界

「版」中心の出版は、モノとしての本の「独立性」「完全性」「経済性」を実現して産業革命や通信革命を乗り越えて600年を経過している。しかし、世紀末に登場したインターネットは、それまで出版ビジネスを助けてきたテクノロジーとは違った作用を及ぼし、出版社は不意を突かれた。「版」の3つの価値は同時に相対化され、印刷本という贅沢なフォーマットを維持することが困難になった。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(2): 本の価値

アマゾンは「版」を不動の基礎にした出版からの決別を宣言しつつ、旧出版の崩壊を嫌った。それは出版の至上の価値である歴史的継続性を損ない、出版の体験を浅いものにするからだろう。Googleの「スキャン」は革命的なアイデアだったが、あれはどうみても「破壊的」に過ぎた。アマゾンは本と出版に3つの価値を見ていると思われる。 … [Read more...]

Kindle以後ノート(1): 出版と読書の秩序

Kindleは、出版の歴史をそれ以前と以後に分けるものではないか、と筆者は考えている。それは印刷本からE-Bookへの転換ではなく、書店からオンラインへの移行でもない、ひと言で言えば多様化である。コンテンツとフォーマットとチャネルの多様化であり、発行主体の多様化と読書体験の多様化、コンテンツへのアクセスの多様化…。なぜそれが重要か。なぜそれがKindleと関係があるのか。 … [Read more...]

「Kindleの十大発明」後記

「Kindle以後10年」の第1部をようやく脱稿した。最初に「Web時代の出版とKindleの十大発明」から仕上げることにしたのは、それが何よりもかつて存在したことのない複雑精巧な「ビジネスモデル」であり、そうしたものとして理解できないと、アマゾンも(本題である)これからの出版も理解できないと考えたからである。 … [Read more...]

Kindleの10大発明・各章要旨

本誌の出版プロジェクトとなる『Kindle以後10年 (I) Kindleの十大発明』は予告通り近日発売となりますが、各章の要旨が確定しましたので掲載いたします。「十大発明」をテーマごとに7章の中に構成し、ストーリーとして分かりやすくしました。ご期待ください。 … [Read more...]

消費者から顧客へ

楽天が出版取次3位の「大阪屋栗田」を子会社化することが新聞で報じられた。「ネットとリアルの融合」をキャッチフレーズにしているが、合わせたところで融合するものではなく、そもそも書店の「顧客」などは融通できるものではない。「顧客」は軽い言葉ではないのだ。それを可能とするビジネスモデルはあるのだろうか。いやあり得るのだろうか。 … [Read more...]