FBF 2017と「政治」化する出版

フランクフルト・ブックフェアが開幕し、ゲスト国フランスのマクロン大統領を選挙を終えたメルケル首相が迎え、独仏両首脳が表現の自由と本の価値を共有する「欧州の文化的団結」を訴える政治色の強い開幕となった。基調講演ではペンギン・ランダムハウス(PRH)のマルクス・ドーレCEOが、市場の「安定」をいつになく強調したが、これも動揺を隠す政治的表現と言える。 … [Read more...]

クラウドファンディング出版の可能性:(1)公共性

出版資金の調達のためにKickstarter のようなクラウドソースを利用するのは、日本でもかなり広がりそうだが、人気作家の中村うさぎ氏が社会的キャンペーンの性格を持つ2冊のムックの出版プロジェクトをポット出版プラスとともに進めている。英国ではLGBTの著者が、多くの出版社から30回以上も「ゲイすぎ」として却下された原稿を自主出版する。 … [Read more...]

米国出版業界がいま知る「失われた5年」

米国出版社協会(AAP)は9月28日、会員1,200社の5月の販売統計を発表し、E-Bookの売上が2年以上ぶりに前年比でプラスとなったことを明らかにした。2.4%とごくわずかなものだが、AAPの発表はハードカバー(+6.7%)ではなく、これをリリースの見出しとした。E-Bookの数字が再び注目されるようになったことを示している。これはただごとではない。 … [Read more...]

デジタルの脅威は「外」からだった

出版界は、これまでデジタルを内なる脅威とみて嫌悪してきた。それが近視眼であることを本誌は主張してきたのだが、米国ではようやくそれが外からのものであることが認識されてきたようだ。Publishers Weeklyが出版人を対象に行った調査では、24%が「他のメディア」との競争が火急の問題であると回答した。 … [Read more...]

米国出版界の変貌(1):沈黙する出版社

著者から見て、出版の世界がどう変わったのかについて、日本でも人気があるクリス・キャサリーン・ラッシュ氏がブログで貴重な観察と分析を述べている。在来出版社はそれまで売上げに貢献してきた作家たちとの関係を減らし、出版点数を絞り込んだ。機会を失った著者たちはE-Bookに市場を求めた。 … [Read more...]

KDPカウント水増しでアマゾンが初の「摘発」

Kindle Unlimited (KU)の開始以来問題になってきた例の「イタチごっこ」に新展開。アマゾンは、このほどKDPの著者・出版社に対してページ数欺瞞の手口を教えるサービスを提供する5人の個人を相手取り、「仲裁申立て」(arbitration complaints)を行った。「差止め救済」「アカウント差止め」「3倍の賠償金」を求めている。 … [Read more...]

Kickstarterと出版ファンディングの可能性

Kickstarter 日本版が9月13日に公開され、約650のプロジェクトが公開されている。出版関連はコミックも含めてかなりの数を占めるものと期待される。注目は「北斗の拳(究極版全18巻)+ 我が背に乗る者(特別読切)x 日米版」で、バッカー数432ながら、すでにファンディングゴール (FG) の300万円を軽くクリアした。 … [Read more...]

AmazonCrossing:翻訳から「世界文学」へ (1)翻訳

フランクフルト・ブックフェア (FBF)が米国のPublishers Weekly (PW)と共催して米国出版界で目覚ましい活躍を見せた人物を表彰するPW Star Watchの今年の「スター」に、AmazonCrossingのガブリエラ・ペイジ-フォート出版局長が選ばれた。米国で難しいとされてきた非英語コンテンツからの翻訳出版を成功させたことが評価されたもの。 … [Read more...]

米国保守系出版社が「NYTベストセラー」と絶縁

「保守系出版社」を標榜する米国ワシントンDCのRegnery Publishingのマリー・ロス社長は、ニューヨーク・タイムズ紙が発表するベストセラー・リストの透明性が欠如し、不正確でリベラルに偏しているとして同紙との関係を断絶することを発表した。米国の分裂が出版界に及んでいることを示した形だ。 … [Read more...]

The Village Voiceが印刷版を廃止

米国では雑誌の印刷版廃止の動きが拡大しているが、1955年創刊のニューヨークの「オルターナティブ」ニュース・文化紙 The Village Voice (VV)が印刷版の発行を停止することを発表した。今後はオンライン版に集中することになる。なお、同紙は2015年に旧オーナー (Voice Media Group)から大富豪のピーター・バルベー氏の所有となっている。 … [Read more...]

ケンブリッジ大学出版が中国検閲を拒否

英国のケンブリッジ大学出版(CUP)は、8月18日に中国政府の要請を受けて行われた中国関係の論文315点(いずれもThe China Quarterly誌所載)へのアクセス禁止措置を撤回し、原状を回復したことを発表した。ジュネーヴの国際出版連合(IPA)はCUPの決定を支持する声明を発表。昨日開催された北京ブックフェアが政治化することは避けられなくなった。 … [Read more...]

デジタルに光明を見たHC/ニューズ社(♥)

ハーパーコリンズ社(HC)が2017会計年 (7-6月)の業績を発表したが、売上はほぼ横ばいの16.4億ドルながら税引前利益(EBITDA)が7.5%増の1億9,900万ドルとなった。前年のような強力なベストセラーを欠きながらの結果としてはまずまず印象だが、様々な要因が絡んでの結果だけに、内容的な検討が必要だ。[全文=♥会員] … [Read more...]

在来出版社の停滞示す1-3月期

米国出版社協会(AAP)は、StatShot に基づく2017年第1四半期の販売統計を発表したが、商業出版社1,200社のQ1は前年同期比で0.9%増と横ばいの結果だった。E-Bookはー5.3%と低迷が続き、A-Bookだけが+28.8%と高成長を続けている。この状況は在来出版社にとっても、市場全体にとっても良くない。 … [Read more...]

年2千タイトルを刊行した「分担校正」プロジェクト

日本の「青空文庫」にあたる Project Gutenberg (PG)は、デジタルが出版にとって何であるかを最初に示した事業だが、無数のボランティア校正者によって支えられている。最大の校正者グループ Distributed Proofreaders (DP)は7月1日に3万4,000点目の作業を完了したことを発表した。ボランティアの一人がDPの仕事についてブログ (08/01)で述べている。 … [Read more...]

マンガ+写真集を除いた「電子書籍」の実力

インプレス総合研究所は7月31日、2016年度の電子書籍ビジネス市場の動向をまとめた『電子書籍ビジネス調査報告書2017』を発売した。市場は前年比24.7%増の1,976億円に拡大、電子雑誌(302億円)を合わせた規模は2,238億円に達したとしている。伸び率は20%台を維持しており、安定してはいるが波動が感じられない。 … [Read more...]