学術出版が直面する問題は、複雑すぎて筆者の手には余るが、英国ABFのレポートはとても刺激的で、出版全体の問題として考えるための共通の土台を提供している。問題は主として経済的なものだが、出版・研究・教育にまたがって存在する […]
エコシステム
デジタル時代の出版エコシステム:(3)本は基本
筆者は、アマゾンのデジタル・コンテンツ戦略が、本を軸とした(とくにコンテクスト/ネットワーク)の拡大・深化に支えられたマルチメディア展開であると考えている。局面を変えるのが「キラー・コンテンツ」だとしても、それを支えるエ […]
出版エコシステムの近未来:(2)単純と複雑(♥)
デジタルによって出版のサプライチェーンをシンプルにして機会を拡大することが、アマゾンの戦略の基本であると思われるが、それは一面であって、出版概念そのものが拡大していることを忘れてはならない。デザイン的には、シンプルさは複 […]
出版エコシステムの近未来:(1)アマゾンの戦略
先週の記事で紹介したアマゾン KDP Printは、キンドル出版者のためのオプションとして「簡易印刷本」を加えたものだが、紙とデジタルの両方を同時に選択肢とする、統合された出版プロセスという方向性を示した。そこでその関係 […]
「ふつう」をつくるエコシステム
11月26日号の記事「二極化する出版:(2)エコシステムの再生」で、「ふつうの出版社」「ふつうの書店」が生きられるエコシステムを願う趣旨を書いたところ、読者の方から「『普通』=大きな意味で停滞とも受け取れそうです」という […]
誰が出版社を潰すのか
英国のインデペンデント紙は11月30日、今年6月30日までの1年間に、128の出版社が市場から消え(前年は81社)、E-Bookの普及がその要因であるという調査会社の説明を加えた。こうした飛躍した記事が常識的推論として大 […]
二極化する出版:(2)エコシステムの再生 (♥)
コンテンツと読者の関係を変えるメディアの革命は、「ふつうの出版」を脅かす段階に入った。しかし、その本質はあまり理解されているとは言えない。それは「デジタル vs. アナログ」の二分で世界を見てしまうためだ。現実に進行して […]
二極化する出版:(1)中小出版社の没落
ニールセン社の分析によれば、出版市場はビッグファイブ(B5)とインディーズに二極化しつつある。前者はグローバルなネットワークによって、後者はE-Bookと会社を持たない身軽さによってデジタルな世界に適応している。巨大化と […]
解体へ向かって加速する再販エコシステム
日本の今年9月の書籍・雑誌の販売金額が発表され、第3四半期までの数字が揃った。2015年は1月(+0.6%)を例外として前年同月水準を下回っており、6月の-10.7%を最悪として1-9月期全体で-4.8%となった。10- […]
栗田倒産が起動した「業界」解体のシナリオ
昨年2月に拙稿「日本的出版流通解体へのカウントダウン」を掲載し、「現在の出版業界は、5年以内、あるいは売上規模1兆2,000億円、アマゾン・シェア30%あまりの水準で独立性、一体性を失い、分解を始めるだろう。」と予想した […]