エージェンシー価格制をめぐる攻防の記録

アップルと出版大手5社に対する集合訴訟事件の処理に伴う賠償額計算の過程で、各社の販売金額について最も正確な推定額が得られた。それによると、2年と50日の間の5社のE-Book出版点数は、市場全体の6%であるのに対し、販売額は15.5億ドルで推定4割。6社で過半を超すが、これでもエージェンシー制の拡大を阻止したアマゾンの市場支配力をなんと形容したらよいか。 … [Read more...]

司法省が「価格談合」のビフォー・アフターを公開

エージェンシー価格導入をめぐるアップルと大手5社の談合を摘発し、和解によって市場の風景を一変させた米国司法省(DOJ)は、アップルを被告とする裁判が開始されるのに先立ち、E-Bookの価格変動を詳細に記録したデータを含む103ページのドキュメントを公開した。アップルは「個別に契約を締結しただけで、談合などは幻」という主張を展開するものと見られるが、この「ジョブズの負の遺産」は意外と深くアップルを縛っている。 … [Read more...]

マクミラン“降伏”でE-Book価格はさらに下値を模索

大手5社の中で唯一、司法省との和解を受け入れていなかったマクミラン社は2月8日、和解手続を完了し、2009年に始まる「エージェンシー価格カルテル」事件は一件落着した(アップルのみは係争を継続)。和解条件は他の4社と同じで、小売による値引き販売を認め、最恵国待遇(MFN)条項を禁じるものだ。マクミランの新刊書の値引きはまだ観測されていないが、他社の例から見て、E-Bookの平均価格はさらに下がっていくものと思われる。 … [Read more...]

固定価格カルテルの崩壊と浮遊する市場価格 (♥)

サイモン&シュスター社(S&S)は12月10日、ハーパーコリンズ(HC)、アシェット・ブック・グループ(HBG)に続き、E-Bookエージェントとの契約を改定したと発表した。内容は明らかにされないが、書店側での割引販売が可能となっている。固定価格をめぐる司法省との裁判闘争の敗北(和解)を受け入れた結果の対応で、メディアは価格動向に注目している。なお、マクミランとペンギンの2社はアップルとともに和解を拒否して係争を継続している。[全文=♥会員] … [Read more...]

EUでアップルと出版大手4社が新契約に調印

米国ではアップルと出版5社の「談合事件」の処理が進み、エージェンシー価格制からの移行が確認され始めているが、欧州においてアップルと出版4社が新たに契約を締結したことがEU当局により明らかになった(→ECドキュメント, 9/19参照)。小売業者は、出版社が支払う(1年間の)販売手数料の総額の範囲内で価格引下げを行うことができるという条件はもちろん大手に有利なもので、この冬のマーケティングに反映されることになろう。 … [Read more...]

カルテル崩壊でアップルも価格競争に参入

米国連邦地裁が9月6日、司法省とアシェット(HG)、ハーパーコリンズ(HC)およびサイモン&シュスター(SS)の3社との間の独禁法違反に関する和解を適法と認めたが、アマゾンはその4日後、HCのE-Bookタイトルのディスカウント販売を始めた。「この価格は出版社が設定したものです」という嫌味なタグは撤去され、希望小売価格(SRP)の表示もない。Kindleの貸出プログラム(KOLL)にもHCのタイトルが登場した。残りの2社も、これに続くと見られている。「合意」3社と「抗戦派」2社(+ランダムハウス)のこの1ヵ月の価格動向からは目が離せない。 … [Read more...]

米国司法省が「談合」問題和解への意見書に回答

米国司法省(DoJ)は7月24日、独禁法違反容疑に関して、大手出版3社との間で交わした和解に対して受け付けた意見書850件を公開し、そこで提起された意見や問題点について検討した結果を回答した(→回答書PDF、全文66p)。出版関係者から消費者団体、上院議員まで、圧倒的多数の反対(多くはコピペ)と一部の賛成(70件以下)を含む、予想を超える反響があり、DoJの回答書も詳細で委細を尽くしたものだが、結論は素っ気ない。和解案の変更の必要を確信させるに至るものは皆無。 … [Read more...]

NY連邦地裁がA+出版5社の集団提訴棄却申立を却下

米国連邦地裁ニューヨークのデニーズ・コート判事は5月15日、アップルほか出版大手5社に対して消費者から提起されている集団訴訟を棄却するよう求める被告側の申し立てを却下した。これによって、本件は本格的審理に入ることになるが、さきの司法省の決定に続き、アップルと出版5社(あるいはエージェンシー・モデル)はさらに窮地に立たされることになった。被告側が苦しいのは、コート判事が55ページに及ぶ決定書で「価格引上げのための共同謀議」を認定したことだ。 … [Read more...]

米国3社「和解」でE-Book定価販売は重大岐路

4月11日夕刻(米国時間)、米国司法省はアシェット・ブック・グループ(HBG)、サイモン&シュスター(S&S)、ハーパーコリンズ(HC)の出版3社が司法省の勧告を受入れ、2010年以来のアップルとの間のエージェンシー価格制に基づく契約を解消すると発表した。マクミランとペンギン、アップルは提訴を受け、そのまま訴訟に向かうことになる。アマゾンは司法省の声明を「Kindleユーザーの勝利」と称え、値引き販売への意欲を表明した。 … [Read more...]

欧米大手出版「独禁法提訴」のゆくえ―2/2 (♥)

Wall Street Journal紙は3月27日、米国司法省の独禁行政責任者で退任を前にしているシャリス・ポーゼン局長とのインタビューを掲載した。局長は名指しを避けながら、アップルと出版5社の談合問題に強い姿勢をとることを強調「競争者が参加できない形で価格に関する取り決めを行うことは止めさせる」と述べた。エージェンシー価格制と卸販売制、定額販売と自由価格は両立し難いもので、たとえ当局が妥協案を認めたとしても、高額な定価で市場をコントロールすることは(大手にとっても)困難となる。市場への影響を検討してみよう。[全文=♥会員] … [Read more...]

欧米大手出版「独禁法提訴」のゆくえ―1/2 (♥)

EUに続いてE-Bookの価格をめぐる談合問題の独禁法調査に入っていた米国司法省は、一足早く結論に達したようで、アップルおよび欧米の出版大手5社に対して提訴を予告した。逆を向くことが多いEU当局も米国と協調して行動しているという。つまり法廷での正式な審理を必要としない「和解」を勧告したわけだ。出版社も和解を望むと思われるが、和解内容や複数の関係者での調整など、予断を許さない。ここでは、とりあえず司法省の通告の読み方、出版界への影響について考えてみたい。[全文=♥会員] … [Read more...]

Kindle年内日本開店を見送り、来春以降へ延期

共同通信英語版は12月27日、アマゾンが日本でのKindleストアの年内開設を断念し、来春に延期したと報じた(以下英文毎日の記事による)。業界関係者によれば、小売価格の決定権を巡る出版社との交渉が難航しているのが理由という。現状では十分な日本語タイトルを揃えられず、来年春が次のターゲットとなるようだが、“原理的対立”があるとすれば、決着はさらに延びる可能性もある。出版社にとって、時間が無限にあるわけではない。相手のほうが選択肢が多いからだ。 … [Read more...]

エージェンシー価格問題は法的決着へ (♥)

2010年からアップルと大手出版各社が共同で導入し、推進してきたE-Bookのエージェンシー価格(委託販売)制に関する欧米の独禁法当局の動き、米国での集団提訴などについては、本誌でたびたび取り上げてきたが、欧州委員会(EC)は12月6日、競争制限行為の疑いで正式な調査手続きを開始することを表明した。これでこの問題は新段階を迎えた。しかし、この決着がどうなろうと、米国市場での結論はすでに出ており、2010年の混乱の「負の遺産」の後始末だけが問題なのではないか、と思える。[全文=♥会員] … [Read more...]

膨れ上がる「エージェンシー・モデル」訴訟 (♥)

2009年、iPadの導入とともに大手出版社が導入した委託販売制(エージェンシー価格モデル)に対しては、消費者からの集団訴訟と米英EU当局の独禁法関連調査の両側からのチェックが働いているが、paidContentは最近、このうち前者についての動向をまとめた記事を掲載した。最初の提訴がカリフォルニ ア州で起こされた翌日にはニューヨークで同様の提訴があり、原告側弁護士によれば現在15件にも達した。業界に近い法律専門家によれば、面白いことに、被告側証人としてアマゾンも(B&Nと並んで)出廷することになるようだ。 [全文=♥会員] … [Read more...]

エージェンシー価格制でアップルと大手版元5社を集団提訴

E-Bookのエージェンシー・モデル(元売りが小売価格を決定する代理販売制)は、独禁法上の問題も調査されているが、8月9日、アップルと“ビッグシックス”の大手6出版社に対して、北カリフォルニア地区連邦地裁に集団訴訟(クラス・アクション)が提起された(→リリース)。法律事務所のハーゲンス・バーマンが窓口となったもので、被告が共謀してアマゾンなどによる割引販売を不可能にして小売価格を引上げ、消費者の利益を損なったというもの。詳細はこの文書で知ることが出来る。 … [Read more...]

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