米国著作権制度改革で議論が活発化

米国の著作権制度が有効に機能していると考える人はほとんどいないが、改善の方向性と手段についてのコンセンサスにはまだ遠い。下院のジュディ・チュー(民主党、カリフォルニア)と共和党のトム・マリノ(共和党、ペンシルヴェニア州)の両議員が6月12日に提案した討議草案 Copyright Office for the Digital Economy Act (CODE Act)に、出版界の2団体はそれぞれ異なる反応を示した。 … [Read more...]

「ホームズ&ワトスン」はパブリック・ドメイン

IPR訴訟を管轄する米国連邦巡回控訴裁判所は6月16日、「シャーロック・ホームズ」の大部分を含むコナン・ドイルの初期著作がパブリック・ドメイン(PD)に入っている以上、そのキャラクターであるホームズとワトスンの著作権も失効しており、他の著者の公正な競争に委ねられる、とした判決を下した。妥当な判決だが、内外への影響は少なくない。 … [Read more...]

海賊取締の暴走でフィンランドが著作権法審議へ

フィンランドでは最近の憲法改正により、国民投票を通じて市民が議会に法案を提出する権利を認めているが、7月23日、著作権法の適用緩和を求める立法提案が「6ヵ月以内に5万人」という条件をクリアしたことが伝えられた。こうしたイニシアティブとしては世界初。メディア業界のロビイストの世界的活動によって一直線に「強化」に突き進んできた流れを逆転させる契機になるかどうかが注目される。 … [Read more...]

「著作権は何のためにあるのか」の研究

イリノイ大学ロー・スクールのポール・ヒールド教授が最近発表した統計的研究(→PDF)によれば、著作権は著作の入手を困難にし、パブリックドメインはその逆に働くことが明らかになった。ISBNでアマゾン・ストアからランダムに抽出した7,000点をサンプルに発行年で整理し、ランク付けした。1923年以前の著作権切れ以前のものに比べ、「保護」されているものほど入手は困難になっている。データによって、現行著作権が知的遺産へのアクセスを阻害していることは明らかだ。著作権はカネのことしか考えていない。 … [Read more...]

ネット視聴サービス合法化で変わる米国TV業界 (♥)

TVの放送映像をWebで録画/視聴できるAereoの「ストリーミングTV」サービスに対する差止め請求を審理していたニューヨークの米国連邦控訴審裁判所(デニー・チン裁判長)は4月1日、これを適法とする判断を下した(→判決書)。Aereoは1日1ドル、月8ドルでモバイル/インターネット・サービスが提供できるようになり、同時にチャンネルをパッケージ販売する現行の有料TVのビジネスモデルに打撃を与える。これはTVの歴史における新しい1ページを開くことになりそうだ。変化は目前に迫っている。[全文=♥会員] … [Read more...]

米国最高裁で教科書「価格差商法」が逆転勝訴 (♥)

米国連邦最高裁判所は3月19日、安価に入手した教科書の海外版を大量に輸入し、米国内で100万ドル相当を売り捌いたタイの学生をジョン・ワイリー社が訴えたケースについて、6対3の大差で「適法」と認める判決を下した。この行為は著作権法におけるフェアユース法理で認められており、海外で印刷されていたという事実も、First Saleの権利を覆す理由にはならないと最高裁は判断したことになる。内外価格差を利用した学生商法は完全に合法化され、出版社は対応を迫られている。[全文=♥会員] … [Read more...]

カーチス/MUSOの海賊監視サービスが成果発表 (♥)

米国の著者エージェントで業界のオピニオン・リーダーでもあるリチャード・カーチス氏が、英国のITサービス企業MUSO社と組んで始めたE-Book海賊退治プログラム(Muso TNT)の成果が12月4日に発表された。ファイル共有サイトで発見された約3,500の問題コンテンツがわずか45分で撤去されるという戦果。海賊がどの程度の被害を与えているのかはともかく、海賊ハンターもデジタルサービスとして行われ、安価で、可視化され、警察も弁護士も不要というのがいい。[全文=♥会員] … [Read more...]

P2P海賊善玉説にRIAAが反論

P2Pによる違法ダウンロードは、日本でも罰則が強化されたが、P2Pは必ずしも著作者にとって悪いものではないという主張も根強く、そうした研究や調査も発表されている。そしてメディア研究のメッカである米国コロンビア大学は最近、音楽ソースについてそれを裏付けるような調査結果を発表した。米国レコード協会(RIAA)は、市場調査会社のNPD Groupのデータを用いて反論するとともに、アンチP2Pキャンペーンを強化している。この決着は、やはり客観的な調査に基づくデータでつけるしかない。 … [Read more...]

E-Book市場を襲う「スパム」本の脅威 (♥)

マスとしてのE-Book市場の成立とともに、好ましからざるものが現れる。一般的には海賊版だが、これは騒がれる割に確認可能なデータが乏しく、E-Bookとは無関係に昔から存在した。現実に大問題となってきたのは、剽窃、粗悪、改竄などのコンテンツを総称した「スパム」と呼ばれるものだ。スパムはもはやメールだけではない。この3ヵ月の間に、チェックの甘いアマゾンの自主出版支援プログラムDigital Text Platform (DTP)で急速に増殖してきた。DTPでは著者の取り分が70%にもなるので、廉価な犯罪的コンテンツで荒稼ぎして消えるには便利な侵入口になる。(写真はスパム入門キットの一つ) … [Read more...]

図書館問題の第2ラウンド:合意への模索

米国で火がついた「ハーパーコリンズ社 vs. 図書館」問題は、図書館の積極的・消極的な、ハーパーのE-Bookを対象としたボイコットが広がったことで新たな段階に入った。さすがに知識ビジネスの関係者だけに、議論も理性的であって抑制されている。出版社の懸念を代表する見解も、HCより知性的な人物によって整理され、客観性・普遍性を持つまでになった印象がある。論点が明確になったことで、問題の本質と共通の課題も明確になってきた。オープンな議論を重ねていることの成果である。(写真はエフェソスのケルスス古代図書館遺跡) … [Read more...]

「デジタル的利用許諾契約」の基本問題(2) ♥

前回の問題提起に続いて、何が問題になっているかを考える。デジタルコンテンツは印刷刊行物の改版と本質的に異なる性質を持っている。それは、 (1) 再編集や更新が容易で、 (2) 版元のリスクがなく、 (3) … [Read more...]

「デジタル的利用許諾契約」の基本問題(1)

出版社による電子書籍出版が大規模に行われるには、電子版著作権に関する新規契約が必要になる。そこで権利許諾期間や版権料といった項目について、出版社の提案をそのまま著者が受諾するか、交渉が行われるか、あるいは著者が別の道を選ぶかすることになる。しかし、問題はほんとうに期間や(紙と比べた)版権料だけなのであろうか。むしろこれらは、コンテンツの価値と可能性を最大化する<サービス>の問題の一部として検討されるべきではないか、とわれわれは考える。まず、問題提起から。(EB2 Magazine EDITORIAL) … [Read more...]

仏出版業界が「電子著作権」反対声明

フランスの出版業界は日本同様、定価販売の信奉者だが、当然のごとく、Odyssey Editionsで業界にショックを与えた版権エージェント、アンドリュー・ワイリー氏には強く反撥している。フランス出版協会(Syndicat National de L'Edition)は今週、50名の出版人が連名で公開状を出し、電子著作権を印刷から分離すべく「出版社と直接競合する立場に身を置こうとする一部エージェントによる企て」に「警告」を発した。 … [Read more...]

DLコンテンツは販売か貸与か?(♥)

米国のラップ・ミュージシャン、 Eminem の版権管理会社が原告となり、ユニバーサル・ミュージックに対して「ライセンス料の不足分」の支払いを求めて争っていた訴訟で、サンフランシスコの連邦控訴審は9月2日、一審判決を覆して原告勝訴の判決を下した。 iTunes を通じて消費者に提供していたものはライセンス(使用許諾)であってコンテンツじたいではないから、アーティスト側に支払うべきはロイヤルティ(販売に伴うもので20%あまり)ではなく、 CM や映画サントラでの使用に適用される50%である、というものである。確定すれば、影響はオンラインコンテンツ全体に及ぶ。(全文=♥会員) … [Read more...]

流動化する“E-Book以後”の出版契約

この1年の間に、米国では出版市場におけるE-Bookの重みは増したが、同時にビジネスモデルや契約モデルも大きく変動した。出版社にとっては、 変化という以上に、明日の市場環境が読めないこと頭を悩ませている。著者との出版契約は日々の問題だが、どうやら変化を前提とし、柔軟性を持った期間限定・バスケット型契約で当面を乗り切ろうというものが主流になりつつあるようだ。 … [Read more...]

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