iBooks Authorを中心としたアップルのiBooks 2戦略は、2つの面を持っている。今日の教育に不可欠なマルチメディア・コンテンツを作り、出版する武器を万人に開放するという啓蒙的側面と、出版はiBookstoreを通じなければならない(iPadを使え)という専制的側面だ。「啓蒙的専制君主」としての故スティーブ・ジョブズの面目躍如とした遺産なのだが、これを受け容れるかどうか、われわれも選択を迫られている。ここでは問題を7つにまとめ、筆者の答を示す。[全文はE-Book2.0 Magazineにて公開中です] ... [続きを読む]
アップル
アマゾン・タブレットの足音が聞こえる
アップルのIAP規制がePUB3への移行を加速する!?
「風が吹けば…」的な屁理屈に聞こえるかもしれないが、アップルのIAP規制は、結果的にePUB3への移行を促進するだろう。本の中からインターネット上のコンテンツやサービスへのアクセスを容易にするHTML5/ePUB3は、OS=アプリに依存しないコンテンツの自立=サービス化を広げることになるからだ。逆に言えば、コンテンツがePUB3でフォーマットされることで、ロックインを怖れずに、iPadを安心して使うことが出来る。誰も損をせずに済む解決だ。 ... [続きを読む]
iTunes決済義務化の可能性を考える
あまり考えたくないことだが、アップルは時計の針を20世紀に戻そうとしているように思える。iPhone/ iPadを創造する天才と、クラウドを「メインフレーム化」する硬直したビジネスモデルのギャップ。20世紀的な独禁法訴訟に入るより前に後者を変えてもらうほうがアップルのため、そして人類のため。という個人的感慨はさておき、具体的に何が問題で、どのような可能性があるかを正確に知って対応するのが何より重要だ。 ... [続きを読む]
アップル、Sony Readerアプリを拒否!
アップルはApp Storeに関する方針「変更」についてコメントし、アップルの決済システムを通さないアプリを排除する意向を間接的に表明した。New York Times (2/1)は、すでにSony Readerアプリは却下されたと伝えている。アップル以外のデバイスから購入したコンテンツへのアクセスも許可できない旨を通告されたという。これでKindleやNookなどポピュラーなE-BookアプリもiOS上から完全に追放され、iOS製品はインターネットの海に浮かぶ群島(あるいは亜大陸)のような状態となることが明確になった。(左の絵はエルサレムの神殿で両替商を追いだそうとするイエス, Carl Heinrich Bloch, 19c) ... [続きを読む]
iPadが創造した世界とビジネス
アップルのアプリ審査指針が、アマゾンのようなE-Bookストアをも射程に入れているとすると、時々問題になる検閲どころではなく、形成途上のE-Bookのエコシステムに重大な影響を与える。iPhoneやiPadを中心とするiOSデバイスを利用するコンテンツ/サービス・ビジネスにとっての唯一の決済プラットフォームであることを宣言したことになるからだ。頭をアツくする前に、考えてみていただきたい。iPadとは何か? ... [続きを読む]
Kindleが、Nook…が、iPhone/iPadから消える?
iPadが、ただのガジェットでもコンピュータでもなく、サイバースペース上のApp Storeのためのメディア・デバイスであることは、意外と見落とされていた。人々に意識されないまま、短期間でE-Bookビジネスの主要なデバイスになったのだが、アップルは7月以降、その決済プラットフォーム(IAP)を介さないアプリを追放する方針を表明した。適用の方法と範囲によっては、サードパーティのオンラインブックストアはiOSデバイスから消え、日本でのコンテンツビジネスにも大きな波乱を呼ぶことになる。その可能性を含めて、3回に分けで考えてみたい。(1/3回) ... [続きを読む]
「iPad元年」のビッグバン
ガートナー社は11月4日、「ガートナーからCEOへ、iPadのチャンスを掴むのは今」と題したプレスリリースを発表し、iPadが(かつてiPhoneがスマートフォンあるいは携帯電話を再定義したように)ニッチなどではなく、まったく新しい“メディア”を生み出したが故に、すべての企業経営者はそれに対応しなければ大きな機会を失い、競争上不利に陥ると警告を発した。ITビジネスにおける同社の予測の的中率はよくて半分くらいだと思うが、これには同意せざるを得ない。 ... [続きを読む]
ユーザー指向の読書環境を目ざして
iPadやKindleのメガストアに「コンテンツ」を提供することが電子出版はではない。電子データとなったコンテンツを可能な限り個性化・個別化することによって、読者にとっての価値を最大化することこそ、電子化の意味がある。デバイスの価格が、数10冊の印刷本ではなく、たかだか数冊の印刷本の価格になれば、質的な変化が生まれる。本の生産・流通・小売のそれぞれにおいて、アップルでもアマゾンでもない道が拓けてくる。 ... [続きを読む]
シリーズ「LAトーク」(1):iPadの読み方
米国LAでE-Bookに取組んでいる立入勝義さん(LMDPおよびeBook 2.0を主宰)と新しい「対論」シリーズを始めることにした。立入さんは在米歴12年の起業家でE-Bookに強い関心を持ち、ユニークなビジネスモデルを構想しているほか、初の著書も執筆中。このサイトの最も早い読者でもあり、自身のブログやSNSで米国発の情報を発信している。このシリーズでは、日本から見たアメリカ、アメリカから見た日本、という複眼的な考察が期待される(立入さんのプロフィール)。 ... [続きを読む]