アマゾンは5月19日、4月1日以降、同社においてKindle書籍の売上が印刷本全部の合計を上回ったと発表した。105対100という比率だという。時間の問題とはみられていたが、怖ろしく速い。ベゾスCEOも、「印刷本で15年、E-Bookで4年足らず」という年数を強調している。リリースでは、この数字は大部分米国販売によるものだが、英国、フランス、ドイツでも「急速に紙の本に迫っている」こと、また最近出した「広告付114ドルKindle」が大成功だったと述べている。 ... [続きを読む]
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アマゾン・タブレット年内発売確定。あとは中身
アマゾン・タブレットがベゾスCEO自身のインタビューで確証された。次の注目は時期、価格、中身、ビジネスモデルになるが、そこでまた新しい噂が生まれた。タブレットは最初から5~7機種。しかもスマートフォンを含むことになるというのだ。Android情報ブログを発行し、NY Timesにもコラムを書いているテイラー・ウィンバリー氏は、アマゾン関係者を含む内部情報に基づいて、6型から9.7型までのタブレットと4型のスマートフォンを予想している。少々高いMirasolディスプレイ使用機と低価格のLCD機を各2種づつ出せばすぐに数機種にはなる。 ... [続きを読む]
Kindle Storeにみる価格/販売動向
ブログKindle Nation Dailyのスティーブン・ウィンドウォーカー (Stephen Windwalker)編集長は7月19日の記事で、 Kindle Storeの価格分析などをもとに、大手出版社が求めた「エージェンシーモデル」は早晩崩壊すると述べた。アマゾンはトップシェアを維持しつつ、業界平均 をはるかにしのぐ勢いでE-Bookを販売しており、そこでのトレンドは現在のE-Book市場の傾向を映すと思われる。(近日刊行予定の新しい週刊WebニューズレターEB Magazineテスト版のための記事。) ... [続きを読む]
ユーザー指向の読書環境を目ざして
iPadやKindleのメガストアに「コンテンツ」を提供することが電子出版はではない。電子データとなったコンテンツを可能な限り個性化・個別化することによって、読者にとっての価値を最大化することこそ、電子化の意味がある。デバイスの価格が、数10冊の印刷本ではなく、たかだか数冊の印刷本の価格になれば、質的な変化が生まれる。本の生産・流通・小売のそれぞれにおいて、アップルでもアマゾンでもない道が拓けてくる。 ... [続きを読む]
強まる“アマゾン出版”の影
米国ランダムハウス社は、英語圏を中心とした著名作家のエージェントとなっているアンドリュー・ワイリー氏 (Andrew Wylie)のワイリー・エージェンシーとの今後の関係を断絶すると表明した(07/22)。ワイリー氏が新たに電子出版社Odyssey Editionsを立上げ「直接的な競合関係」に入ったことを理由としている。Odysseyは事実上アマゾンのダミーで、まず20点を2年間Kindleで独占提供する。昨年から顕著になってきた“パワーシフト”は、強力なエージェントの参入で一気に加速することになった。日本でもおなじみの作家を並べており、ついに来るべきものが来たということだ。 ... [続きを読む]
E-Reader市場の裏側を読む (2):メーカー
E-Readerは機能でもあり、スマートフォンでもタブレットでもネットブックでも、もちろんPCでも利用はできるし、ユーザーもそちらが多いわけだが、"My Amazon"としての Kindle端末が、専用ブックリーダとE-Bookの市場を創造したことは、なおE-Reader市場を考える際の重要なポイントだ。Kindle端末はガジェットではない。ということは、Kindleが圧倒的な専用E-Reader市場は、独立したガジェット市場としては完全に成立していないことを意味する。(図はマイケル・ポーターのバリュー・チェーン・モデル) ... [続きを読む]
「官民一体」で「中抜き」阻止とは?
「政府は17日、本や雑誌をデジタル化した電子書籍の普及に向けた環境整備に着手した。」という書き出しで始まる日経新聞の記事は、E-Bookを進めるわれわれの気分をむしろ暗くさせる。文書では背景や課題について明確な説明がない一方で、「資本力で勝るメーカーに規格決定の主導権を握られると、出版関連業界は中抜きにされる恐れがある」(総務省幹部)という説明がなされている点だ。 ... [続きを読む]
アマゾンのシェア「急落」予想の無意味
少なくともマスマーケットとしてのE-Bookは、アマゾンが創造したものと言ってよいだろう。KindleによってE-Readerの市場を創ったのもアマゾンだ。まったくよくやった。だから同社が90%のシェアを持ち、その地位により市場を支配してきたことも当然と言える。しかし、すでに市場が成立し、大小無数のライバルが登場した以上、次のラウンドが始まることもまた必然だ。90%という異常な数字が急降下を始めることも、驚きではなく正常化に向けた歩みと言える。市場はこれから5年間で桁を増やそうとしている。アマゾンのシェア低下は、市場の成長と表裏の関係にある。 ... [続きを読む]
画像電子学会 (終了)
画像電子学会 プロフェッショナル養成セミナー テーマ:「電子読書プラットホーム・コンテンツの動向と将来」 【詳細】 日時:2010年2月26日(金) ... [続きを読む]
E-Bookは高いほうがいいのか?
近ごろめずらしいほど強硬な岸 博幸慶應大学教授の「反電子ブック」論。「コンテンツ流通がアマゾンなどのネット企業が独占している」限り、コンテンツを提供する出版社の未来は悲惨、という驚倒すべき議論だ。コンテンツをどこで売るかは出版社が、どこで買うかは読者が選択する。その意味で「独占」などあり得ない。少なくとも、ガラパゴス島のモバイルコンテンツの流通をキャリアが「独占」しているよりはオープンだろう。E-Bookこそ出版社のサバイバビリティを高める。流通は紙よりも合理的だ。より創造的なコンテンツとビジネスモデルを追求できる。 ... [続きを読む]