欧米人は何事につけルールを考え、それを「十戒」にまとめて共有することを好む。Wild Fire Marketingのロブ・イーガー氏 (Rob Eager) は最近、Digital Book Worldに「ブック・マーケティング十戒」という記事を書いていたので紹介しておきたい。日本から見て、すぐに腑に落ちるところと落ちないところがあると思うが、とりあえず米国の出版カンファレンスで語られているところを確認しておくだけでも無駄ではないと思う。 ... [続きを読む]
オープン・パブリッシング
著者・出版社・読者の新しい関係を考える
出版マーケティング再考(2):流行と不易―モノからヒトへ
出版マーケティング再考(1):なぜいま?
オープン・パブリッシング・フォーラム(電子出版再構築研究会)第1期(7-9月)は、まずマーケティングからスタートする(7/25)。デジタル出版はコンテンツではなくマーケティングによって成立し、これを制するものが市場を制する。マーケティングは釣りやスポーツ、ゲームのようなものだ。「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」(論語) とはいえ、食わず嫌いな人も多いので、まず知るところから始めよう。 ... [続きを読む]
尻に火がついた!:2012年の日本E-Book市場 [寄稿]
オープン・パブリッシングのビジョン:(番外) 知の銀河系を開放する
オープン・パブリッシングのビジョン:(4) 21世紀の出版編集技術
オープン・パブリッシングは、サービス指向ITを「出版」のバリューチェーンに効果的に組み込むことでその可能性を最大化させるコンセプトだ。それは出版の社会的機能を、デジタル革命という歴史的転換に対応するように再構築する試みでもある。多様なコンテンツとサービスの協調環境のためのマッピングを行うが、それを機能させるのは人間だ。21世紀のプロのための編集出版技術を再定義し、スキル/メチエを拡げ、高め、評価を得るための仕組みが必要になる。ITに置き換えられない、「人間のコアコンピタンス」を明確にできなければ、出版は仕事にはならないからだ。 ... [続きを読む]
オープン・パブリッシングのビジョン:(3) コンテンツとサービスのカタログ化
オープン・パブリッシングはお題目ではなく、現に進行中の現実である。問題は、環境の変化が速いのに対して、認識が追いついていかないことだ。とくに国により、業界によりばらつきが大きい。私たちはこれを、拡張された出版のフレームワークとサービスを示す、グローバルなイニシアティブとしたいと考えている。つまり、ビジネスにおいて使える実践的情報をやり取りすることで「オープン」な世界を広げて生きたいということだ。詳細は来週(6月20日)のセミナーで議論したいが、ここではアウトラインを提起する。 ... [続きを読む]
オープン・パブリッシングのビジョン:(2)出版経営とテクノロジー
オープン・パブリッシングは一つの産業=社会システムのビジョンなので、多少とも理論的な根拠を明確にしておく必要があると思う。妥当性についてはバリューチェーン理論に、技術的実現性はサービス指向アーキテクチャ(SOA)に依拠しているが、出版界では(本のテーマとして以外に)なじみはない。しかし、デジタル時代の出版の再編成の底流にはこの2つがあり、それをアマゾンが体現している。われわれがオープンにしなければならないと考えている21世紀のビジネスの構造について述べる。 ... [続きを読む]
オープン・パブリッシングのビジョンに向けて(1)
Forumを中心とした活動も、ほぼ3年を経過しようとしている。デジタル時代の出版ビジョンを考え、提案し、実践しようという構想で始めたのだが、そろそろ締切りがきた。ITの世界に長くいて、テクノロジーとビジネスの噛み合わせの難しさは嫌になるほど体験したが、出版がIT業界より救いがあるのは、多くの人々に創造やコミュニケーションにおける活躍の場が与えられるということ。1980年代でビジネスモデルの進化が止まった日本のITに比べ、出版は無限に近いほどの可能性を秘めた、これからの産業だ。 ... [続きを読む]