アイザックソンの「公式」ジョブズ伝が発売になり、予想通り版元のサイモン&シュスター(S&S)を潤している。生前(2008年)、出版ビジネスは「救いようもない(unsalvageable)」と語っていたが、そうでもないことを身をもって証明したのは皮肉というべきか。ジョブズが出版界に残した影響としては、E-Bookの委託販売制による価格維持と、その逆のiPadアプリの低価格化がある。価格革命は後者のほうが主導すると筆者はみている。 ... [続きを読む]
スティーブ・ジョブズ
EBook2 Magazine (Vol.2, No.3, 10/06) +Review
Kindle Fireが登場した先週に比べ、静かな1週間だと思っていたら、「ジョブズの死」という衝撃が待ち受けていた。アップルに復帰して以来の鬼神のような姿 に、先が長くないことを感じていたが、やはり重い。20世紀にはこういう「重い」人はけっこういたのだが、ITの世界ではほかに記憶にない。 ... [続きを読む]
イノベーションは終わるのか
E-Book市場でのアップルの影は薄いので、Magazineで取上げはしなかったが、やはりスティーブ・ジョブズCEOの引退について何も語らないわけにはいかない。「魔術的」と評されるコミュニケーションの達人、「イノベーションとはノーを千回言うこと」と喝破する完璧主義者、優秀なスタッフに100%以上の仕事をさせるカリスマ、巨大なリスクを独りで引き受ける胆力、大衆(メディア)に背を向ける勇気…。あらゆる点で彼の後継者が登場する可能性は限りなくゼロに近いからだ。一つの時代が終わった。次の時代は退屈な、ことによると停滞的な時代となるかもしれない。 ... [続きを読む]
E-Bookにおけるデザインと画面の関係 (♥)
スティーブ・ジョブズ氏が、最近“7インチiPad”の可能性を否定した際に述べた言葉は、 E-Bookあるいはタブレット・アプリのデザインにとって非常に重い意味を持つことになるだろう。人間工学は移り気な市場に優先する。モバイル性に難がある10インチは、それでも人間工学的に必然性のあるサイズなのだ。iPhoneの画面のように、iPadの画面サイズもほぼ固定した。これでデザインはこの2+n次元空間をひとつの規格サイズとすることになる。[EB2 Magazine No.5より=要登録] ... [続きを読む]