マスメディアがカネのかかる設備を使って配信してきた同質的情報は、デジタル・メディアにおいては無価値である。数は現在価値でしかない。逆説的だが、コピーは誰でもできるが故に価値はないのだ。ベストセラーよりは、ユニークで深いな構造を持ち、時間をかけて深いコミュニケーションを実現する中小部数のコンテンツのほうが大きな可能性を持っている。この価値の転倒から本の復権が可能になる。 ... [続きを読む]
マーケティング
「電書1兆円」は正夢:(5)市場は意味から生まれる
「電書1兆円」は正夢? (4):本はコモディティか
これまでの出版界では、本の売り方を真剣に考える習慣がなかった。どうにもならないと考えられてきたからだ。米国の5年間で出版社が学んだことは、本は映像やゲームなどと伍してやれる強いメディアであること、その強さは人と本との出会い(体験)によってのみ生まれること、そして読者に目を向けることで本に最適化したマーケティングが可能になることだった。 ... [続きを読む]
出版市場の再構築に向けて (1) インフラ
マーケティングとは市場の創造・構築・維持・発展に関わる活動を意味する。市場の枠組は不動と考えられているので、通常はその前提で商品を企画し、顧客を発見し、宣伝・販売する活動と考えられている。しかし、インターネットによって市場の枠組は根本的に変わった。しかもそれは安定に向かうことなく変化を続けている。だから、まず問題とすべきなのは枠組であって道具ではない。何が「本」であるかを知らなければ市場は見えてこない。(連載1) ... [続きを読む]
米国式ブック・マーケティング「十戒」
欧米人は何事につけルールを考え、それを「十戒」にまとめて共有することを好む。Wild Fire Marketingのロブ・イーガー氏 (Rob Eager) は最近、Digital Book Worldに「ブック・マーケティング十戒」という記事を書いていたので紹介しておきたい。日本から見て、すぐに腑に落ちるところと落ちないところがあると思うが、とりあえず米国の出版カンファレンスで語られているところを確認しておくだけでも無駄ではないと思う。 ... [続きを読む]
出版マーケティング再考(3):価値評価システム
出版マーケティング再考(2):流行と不易―モノからヒトへ
出版マーケティング再考(1):なぜいま?
オープン・パブリッシング・フォーラム(電子出版再構築研究会)第1期(7-9月)は、まずマーケティングからスタートする(7/25)。デジタル出版はコンテンツではなくマーケティングによって成立し、これを制するものが市場を制する。マーケティングは釣りやスポーツ、ゲームのようなものだ。「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」(論語) とはいえ、食わず嫌いな人も多いので、まず知るところから始めよう。 ... [続きを読む]