筆者は近年、中国やインドの音と映像記録から見える「人間の文化・社会」をテーマに、「全体」として「体験」的に観察する遊びにはまっている。「良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである」と、かのデカルトは『方法序説』で言っている。筆者は、本ならぬ、マルチ×メディア体験で「脳内オルギー状態」を発生させて夏を乗り切ろうというものだ。長年、文字で記述された(静的な分析や印象)をその通りのものとして錯覚してきた反省から、世界を映画や音楽、料理、文化などの(なるべく非言語的な)素材を通して体験することで、何かを発見しようということでもある。これは、Webによって、歴史上かつてなく安価な娯楽になっている。人様と共有できるようなものであれば幸い。 ※文中テキストリンクはWikipediaや説明サイトに、図写真はストアにリンクします。 ... [続きを読む]
中国
Exclusive Shanghaiツアー報告
【2010年8月31日、フランクフルト】 GAPPの調査によれば、2009年に約1億人の中国人が携帯電話で本を読み、500万台のE-Readerが販売された。そして100万冊近く(97万冊)が電子書籍として利用できる。つまり、中国はデジタルパブリッシングの急成長市場というだけではなく、先行する米国と並ぶ存在になったということだ。そうした中、中国のデジタルパブリッシング産業の先駆者たちと外国の関係者との交電子出版の流を目的に、出版者のための上海ツアーが、8月22-27日の4日間行われた。 ... [続きを読む]
E-Reader市場の裏側を読む (1)
E-Readerの市場予測が活発になってきた。市場は毎年2倍から3倍に拡大を続けており、たんなる「電子書籍端末」でないことも明らかになってきた。分類にもよるが、いずれ1兆円(100億ドル)を超えるという予測も非現実的とは思われていない。日本の富士キメラ総研という調査会社は今年950万台という数字を出している。しかし、こうした予測は初期市場の数字を反映したもので、E-Bookそのものもダイナミックに変化しつつある。数字に振り回されないような読み方を考えてみたい。((2)に続く) ... [続きを読む]
ショウという名のサバイバルレース:CES 2010
本サイトのパートナー、意力(いちから)ブログの立入勝義氏がE-Readerを中心に CES 2010のレポートを載せている。取材とビジネスという両方の立場で、メディアがカバーしていない情報を教えてくれるのが嬉しい。とくに中国の3G規格TD-CDMA普及の一翼を担うマーベル (Marvell)、台湾のASUSTekのリーダについての情報はほかで見られない。それに、もっと重要なことも指摘している。(写真はKindle 2とSamsungリーダの比較) ... [続きを読む]
世界最大のE-Reader市場を目ざす中国
Wall Street Journalの1月5日付、香港発のジュリエット・イェ (Juliet Ye)記者の記事は、中国のE-Reader市場について、非常に興味深い内容を掲載している。2年以内に、中国が世界市場の20%を占め、2015年までに米国を抜いてトップに立つという予測や数々の課題もさることながら、この市場の将来を確信する中国企業と、それをグローバルな観点から戦略的に支援する政府の積極性が印象的だ。(写真はHangwang製品) ... [続きを読む]