Wall Street Journal (WSJ)紙で出版を担当するジェフリー・トラクテンバーグ記者が「業界勢力図を塗り替えるアマゾンの書籍出版」を総括した記事 (01/16)を書いた。日本語版 (01/17)にも掲載されたのでぜひ一読いただきたい。出版者としてのアマゾンを「無名の本を必読書に押上げることのできる比類ないショーウィンドー」という紹介だ。 ... [続きを読む]
出版ビジネス
E-Bookが広告媒体になる!?
本と広告は、長い間(PR書籍を除いて)ほとんど接点がなかった。雑誌をやっていない出版社は、自社広告以外、広告の世界とは付き合いがないだろう。しかし、E-Bookは本と広告を結びつけることを技術的に可能とした。米国では特許申請が相次ぎ、まもなく実証実験が行われる。賛否両論はあると思うが、E-Bookが印刷本と同水準の価格では受け容れられず低落傾向にある以上、いずれ出版は広告との結びつきを強めることになる。その必然性は強い。(写真はLinely PlanetのiPad版シティガイド) ... [続きを読む]
印刷本と電子本のコスト比較から考えられること
出版社にとってE-Bookが儲かるものかどうか、あるいはどうすれば儲かるか、という問題はそう単純ではない。印刷・在庫コストが消える代わりに、単価を下げねばならず、ロイヤルティも同じではなくなるからだ。印刷本の流通との兼ね合いもある。事実をもとにいくつかの仮説を立ててシナリオを描き、あとは実験をやってみるしかない。そうした意味で、大手出版社からの取材に基づいてコストを比較したNYTの記事は非常に貴重な情報を伝えている。 ... [続きを読む]
漫画家が出版社を養ういわれはない
人気漫画家の佐藤秀峰氏が、自らのブログで「大手出版社」の苦境を明らかにしたことで、ネット系のJ-CASTニュースが記事にしている。「書籍の売り上げトップ10をすべて漫画の単行本が占める」さる大手は「2010年に100億円以上の赤字を出す」と噂される、ということで「大手」の取材までやっている姿勢がいい。 ... [続きを読む]
出版社に衝撃を与えた「コルシカ」の問題とは
「勝手にフェアユース」の無許可雑誌配信サービスを始めた「コルシカ」は、日本雑誌協会の要請で、1週間あまりで中止を余儀なくされた。同サービスの適法性に疑問を持ちつつ、「無許諾のスキャンでも『適法』なサービスを創造することは可能かも知れない、という著者は、著作権者として電子化の「新たな便益」を考えるべきだ、と述べている。 ... [続きを読む]