JEPAの主催した電子出版セミナー「EPUB25セルフパブリッシング狂時代」には残念ながら参加できなかったが、「セルフ」についての関心が高まっていることは感じ取れた。しかしいまだ訳語に躊躇している様子が気になる。カナ文字を使うのは、日本語に存在しない異質な概念として扱っているかのようだ。異質か否か?ここではあまり語られていない側面から述べてみたい。これは、出版の原点を確認しつつ再定義するシステムでありサービスなのだ。 ... [続きを読む]
自主出版
「自主出版ガイド」ページ新設にあたって
本フォーラムやMagazineの記事を通じて、英語圏での自主出版の動向についてはかなりの情報をお届けしてきましたが、日本でも欧米並みの自主出版を行うプラットフォームが整ったので、自主出版者を支援する情報提供を継続的に行っていきたいと考えて、専用のページを開設することにしました。自主出版はデジタル時代の出版の基本である、と私たちは考えています。簡単ですが、出版の持つ課題と自ら取り組むことで、多くのことが見えてきます。その意味で、出版のプロにも参考になることは多いと思います。(鎌田) ... [続きを読む]
著者・出版社・読者の新しい関係を考える
E-Book再考(7):自主出版の意味とは?
自主出版という側面から出版社不要論を紹介した前回の記事には、予想通り様々なコメントをいただいたが、とくに「編集」と「読者」について指摘したものがあった。有難い。これらについては次回以降に考えさせていただくとして、まず自主出版への誤解と偏見を解いておきたい。自主出版者は、出版社を咎めてはいない。ただ出版社に期待するのは止めようと考えているだけだ。なぜそうなのかも知っている。既存の流通の仕組みが本を出版したい者に著しく不利になっているのがその理由だ。 ... [続きを読む]
電子出版史談:(4)一太郎文藝と及川さん
E-Book再考(6):出版社は何のためにあるのか
デジタル自主出版 (2):第1章 バリュープロセス
デジタル自主出版の主語は著者ではなく「出版者」である。出版者は社会の中での言語コミュニケーションの主宰者であり、そこでは版(エディション)と日付、そして出版者としての署名の3つが揃ってはじめて意味を持つ。原稿が素材から「版」となり社会性を持つ上で、出版者こそが主体であり、著者が出版することは、著者とは別の出版者のロール(社会的機能と専門性)を負うことを意味する。出版者はコミュニケーションの演出とプロデュースの主体として読者の「体験」に直接コミットする。出版者を法人化した存在である出版社はそれでも「中抜き」を怖れる必要があるだろうか。 ... [続きを読む]
デジタル自主出版を考える (1):出版の小宇宙
自主出版は、知識情報を社会と共有するコミュニケーションとしての出版の本質に即したものであり、印刷本の時代から無視できない市場となっていた米国で、デジタルコンテンツビジネスの一つの焦点として注目されたことは当然だろう。われわれが注意すべきことは、これがもはや「自費」出版ではないことだ。自主出版こそ出版に関するすべての要素が含まれている小宇宙であり、逆にデジタル時代における出版とは何かを明らかにしてくれると思われる。以後7回ほどのシリーズでこの問題を考えていきたい。 ... [続きを読む]